災害現場ではSTART(スタート)法によりトリアージが行われる。

Sponsored Link

災害現場とトリアージ、START(スタート)法とは

東日本大震災をはじめとして、多くの自然災害が日本で起こっています。東日本大震災の時に、薬剤師も医療チームとして派遣され、活躍したという話を聞きました。災害現場では、限られた人と資源の中で活動しなければいけません。そして、多くの命を救うために患者の治療優先度を考えなければいけない状況にあります。このことをトリアージと呼びます。トリアージはフランス語で選別するという意味をもつそうです。

 

もしかしたらあなたも災害現場に派遣されるかもしれません。今回はトリアージの話をします。

 

トリアージ・タッグとは

トリアージされた患者さんは、その区分に応じた医療機関に搬送されて治療を受けることになります。そのトリアージの結果を記載するのが、トリアージ・タッグです。トリアージ・タッグは4つの優先度に分けられます。

 

  • 赤;第一優先→1時間以内に救急医療機関で治療を開始すれば救命可能
  • 黄;第二優先→今すぐ治療しなくても命に影響を与えないが、そのまま放置すると命の危険がある
  • 緑;第三優先→救護所や近医の救護処置で問題ない
  • 黒;第四優先→すでに死亡していたり、生命反応がなくなりかけている

 

第四優先の方に人と資源をつぎ込むのであれば、救える命を先に救うという考えがトリアージとなっています。

 

 

トリアージ・タッグは3枚つづりになっていて、1枚目は災害現場用、2枚目は搬送機関用、3枚目は収容医療機関用となります。記載内容は先ほどの優先度の項目を含めて、以下の項目があります。

 

  • 患者氏名
  • 年齢
  • 性別
  • 住所
  • 電話
  • トリアージ日時
  • トリアージ実施者氏名
  • 搬送機関名
  • 収容医療機関名
  • トリアージ実施場所
  • バイタルサイン(意識、呼吸、脈拍、血圧)
  • トリアージ区分
  • 特記事項など

 

このトリアージ・タッグは手首足首に巻き付けられますが、手足足首も無理なら首に巻き付けられます。

 

Sponsored Link

Sponsored Link


 

START(スタート)法

トリアージの方法はいくつかあります。中でもSTART(スタート)法が一般的かと思われます。START(Simple triage and rapid treatment)の略で、そのまま訳すとシンプルなトリアージと迅速な治療といった感じでしょうか。

 

以下の流れで行われます。

 

  1. 歩けるか?;Yesなら緑。Noなら質問2へ
  2. 自発呼吸はあるか?;Yesなら質問4へ。Noなら質問3へ。
  3. 気道確保した上で、自発呼吸はあるか?;Yesなら赤。Noなら黒。
  4. 呼吸回数は?;9回/分以下、30回/分以上なら赤。10〜29回/分なら質問5へ。
  5. 脈拍回数は?;120回/分以上、もしくは脈を触れないなら赤。脈拍120回/分未満なら質問6へ。
  6. 簡単な指示は(意識は)?;応じるなら黄。応じないなら赤。

 

 

基本的には、救急救命士、医師、看護師などが行います。しかし災害現場では何が起きてもおかしくはありませんので慌てないように、緊急時のことも知っておくことが大事です。

 

まとめ

  • 災害現場では、トリアージが行われ患者の選別が行われる。
  • トリアージ・タッグは色により優先順位が決められる。
  • トリアージの方法の1つとして、START(スタート)法がある。
 このエントリーをはてなブックマークに追加 

Sponsored Link

Sponsored Link

災害現場とトリアージ、START(スタート)法とは 関連ページ

バイタルサインは8つの項目をみよう
バイタルサインは患者が生きている証です。現代の薬剤師にもバイタルサインを読む力は求められ、薬の効果や副作用により深く関われます。意識、呼吸、血圧、脈拍、体温、酸素飽和度、血糖値、尿量の項目から成り立ちます。
血圧の基本、高血圧と低血圧
血圧とは、血管にかかる圧力のことです。高血圧の緊急事態の指標として、180/120mmHg以上があります。また、低血圧の緊急事態の指標としては、収縮期血圧が90mmHg以下があります。
脈拍の基本、頻脈と徐脈
脈拍は心臓の拍動を体表面の動脈でふれるものです。心臓にある洞結節が主に脈拍の調整をしています。頻脈の緊急事態の指標は140回/分以上のときで、徐脈の緊急事態の指標は40回/分未満のときです。
体温の基本、発熱と解熱
体温は、年齢、時間帯、運動、食事、性などの影響を受け個人差があります。発熱が始まると、悪寒や鳥肌が起こります。ピークでは熱感や皮膚が紅潮します。解熱に向かうと、皮膚の紅潮や発汗が見られます。
呼吸の基本、呼吸数と呼吸音
呼吸は延髄の呼吸中枢によって調整されています。呼吸数が30回/分以上や10回/分以下では緊急事態となります。また副雑音のラ音は、笛声音、いびき音、捻髪音、水泡音の4つがある。
意識の基本、意識障害の原因と評価
意識障害があると危険な状況が多いです。意識障害の評価方法として、JCSやGCSがあります。また原因をみつける方法として、アイウエオチップスがあります。意識障害や麻痺の評価は最後に行われ、まずは生命維持の対応をします。
酸素飽和度の基本、酸素分圧との関係
酸素飽和度はヘモグロビンと酸素がくっついている割合を示します。酸素飽和度が90%を下回ると、臓器障害が起こる可能性が高まります。酸素飽和度が低下する原因には、ショックや不整脈、貧血などがあります。
血糖値の基本、低血糖と高血糖
ブドウ糖は、肝臓でグリコーゲンとして貯蔵され、筋肉では主にエネルギー源として使われます。低血糖も高血糖も意識障害が起こる前に対処することが、患者さんを守るうえで重要となります。
尿量の基本、減少と増加の原因と尿色
尿量は1日1500ml前後は出ていて、400ml以下を乏尿、100ml以下を無尿、3000ml以上を多尿と呼びます。尿量が減少する原因は腎前性、腎性、腎後性、サードスペースへの移行などがあります。また尿色からも様々な情報が得られます。
アレルギーとアナフィラキシー、原因と症状と対策
アレルギーを起こすと、様々な症状などを起こし、時にアナフィラキシーショックと呼ばれる生命の危機を起こす可能性があります。原因となるアレルゲンを摂取しないように気を付け、正しい対策をする必要があります。
視診、触診、打診の基本、薬剤師でも異常に気付けることはある。
視診や触診や打診は、医師や看護師が基本的には行います。しかし薬剤師も視診や触診や打診の基本的なことを知っておけば、チーム医療に参加することができます。また服薬指導時に異常に気付くことができます。

 
HOME プロフィール お問い合わせ