スポーツアスリートにおける着色尿や熱中症の注意点

スポーツアスリートにおける着色尿や熱中症の注意点

コーラ色・暗赤色の尿は、血尿やミオグロビン尿の可能性があり、腎不全になることがあるため要受診です。アスリートでも熱中症リスクが高いため、WBGT(暑さ指数)28℃以上で厳重警戒、31℃以上で運動中止推奨です。

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スポーツアスリートにおける着色尿や熱中症の注意点

スポーツに関係する内科系の病気として、脇腹の痛み(サイドスティッチ)、着色尿、高尿酸血症、熱中症などのトラブルなどがあります。今回はそれらをみていきたいと思います。

 

 

脇腹の痛み(サイドスティッチ)

ランニングを行った際に脇腹に絞られるような痛みを生じることがあり、運動を休止すると症状が改善します。これをサイドスティッチと言います。運動時の腸管の虚血や腸内ガスの移動により生じるとも言われています。

 

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着色尿

運動後一過性のタンパク尿や顕微鏡的血尿を認めることがあり、これを運動性タンパク尿、運動性血尿と言います。病的な意義は少ない一方で、逆にスポーツ現場では以前より合宿時などに運動性タンパク尿の有無を身体的コンディション指標として評価されてきました。

 

起立性タンパク尿や子宮体腎炎などと鑑別する必要があるため、アスリートで尿検査を行う場合には可能な限り前日の運動を控えたりトレーニングオフ翌朝の起床時第一尿早朝尿を用いて検査を行うなどの工夫が必要です。

 

次に通常尿は薄い黄色の色調を呈しているわけですが、運動によって脱水が生じると尿が濃縮されて黄褐色のような色となります。スポーツ活動では、この色調の変化を見ることで、脱水の状態を推測することがあります。

 

一方、運動後に尿が暗赤色や線香色を呈することもあります。線香色の場合、赤血球が尿に混ざっている状態であり肉眼的血尿と言います。肉眼的血尿の場合、腎から尿道までの尿路からの出血が原因であり、スポーツ活動ではラグビーなどでのタックルによる腎臓症や、自転車のサドルが尿道を傷つけることによるサドル症候群などが有名です。その他、膀胱炎などで肉眼的血尿を認めることがあります。

 

暗赤色の場合には、ヘモグロビンやミオグロビンによる色素尿の可能性があります。コーラやコートワインの色調に類似していることから、コーラ尿やコートワイン尿とも称されます。ヘモグロビン尿は、長距離走や剣道などで赤血球が大量に破砕することにより生じ、腎不全に至ることはないとされます。

 

一方、過剰な筋力トレーニングなどで筋肉が大量に破壊される横紋筋融解の場合、筋肉よりミオグロビンが血中に漏出し、これがミオグロビン尿となります。ミオグロビン尿を認める場合、急性腎不全に至る例が報告されています。いずれにしても赤褐色尿を認めた場合には、必ず医療機関に相談する必要があります。

 

高尿酸血症

尿酸はプリン体の代謝産物で過剰生成や排泄低下で高尿酸血症となり、痛風発作の原因となります。激しいトレーニングを行った後で、大量の筋組織が破壊されると尿酸が生成されやすく、同時にプリン体を多く含んだ食事や、特にプリン体を多く含みやすいビールを飲むなどの条件が重なると、痛風発作も起こりやすいと言われます。

 

熱中症

暑熱環境によって引き起こされる症状の総称を熱中症と言います。このうち、肉体労働者やスポーツ活動で生じるのが動作性熱中症です。安静時に比べてスポーツ活動を行うことにより体内では莫大なエネルギーが産生されます。そのため、産生された莫大なエネルギーを人は排熱しなければなりません。

 

熱中症の発生リスクとしては、まずは熱環境が重要で日光などによる輻射熱も影響します。また、湿度が高いと発汗による熱放散の効率が低下します。そのため気温に加え湿度や輻射熱の影響も考慮した指標であるWBGT(暑さ指数)を指標として用いています。

 

治療の基本は熱のコントロールと発汗による脱水のコントロールです。重症の場合には氷水を用いた急速な身体冷却が行われます。脱水に対しては、汗の成分でもあるナトリウムを含んだ水分補給がポイントとなります。スポーツ活動では、これに加えてスポーツ特有のルールが影響しやすいです。予防対策として、置かれた環境に合わせて服装やルールを可能な限り調整することも重要です。

 

日本スポーツ協会では熱中症予防運動指針を出しておりWBGT28度より厳重警戒とし持久走などは中止、31度を超えると運動は原則中止としています。また、季節の初めの急激な気温上昇や暑さ慣れしていないものがいきなり運動した場合や肥満者などで発生しやすいので、一般レベルではこれらの要因についても考慮する必要があります。

 

まとめ

  • コーラ色・暗赤色の尿は、血尿やミオグロビン尿の可能性があり、特にミオグロビン尿は腎不全になることがあるため要受診。
  • 暑熱環境での運動は熱中症リスクが高く、WBGT(暑さ指数)28℃以上で厳重警戒、31℃以上で運動中止推奨。

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