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スポーツに関係する内科系の病気として、運動誘発アナフィラキシー、花粉症、アトピー性皮膚炎、スポーツ貧血などのトラブルなどがあります。今回はそれらをみていきたいと思います。

アナフィラキシーが運動自体が原因となって生じる病態を運動誘発アナフィラキシーと呼びます。
症状としては皮膚のかゆみや蕁麻疹、血管浮腫などの皮膚症状を中心に始まり、発汗や湿疹などの全身症状に及び、重症例ではショックを引き起こす場合があります。また、一部では運動前のアレルギー性食品の摂取後に症状が出現する場合があり、これを食物依存性運動誘発アナフィラキシーと呼びます。そのため、運動誘発アナフィラキシーが生じた場合には、運動前の食事内容から疑われるアレルギー食品がなかったかどうかも評価しておく必要があります。
いずれにしても治療はまず運動を中止するとともに、症状に応じて抗ヒスタミン薬などによるアレルギー反応の抑制を行います。重症例では、エピネフリン、アドレナリンのペン型自己注射を用いることがあります。特に重症の症状の既往があるアスリートでは、これを持参していることがあります。なお、エピネフリン、アドレナリンは競技会時に禁止される興奮薬に分類されています。ペン型自己注射器の携帯は、アンチドーピング規則違反としての禁止物質の保有とは解釈されませんが、競技会時に使用した場合には訴求的TUE申請を検討する必要があります。
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花粉症(アレルギー性鼻炎)はアスリートでなくてもよくある疾患で、スポーツとの関連において鼻閉による上気道閉塞は運動時の息切れにつながるほか、治療としての抗アレルギー薬には眠気を催すものも多く、集中力を保ちにくいという特徴があり、アスリートを悩ませる代表的な疾患となっています。アンチドーピングの視点からは、禁止物質を含む市販薬や合剤に注意が必要です。
スポーツ活動は多量の発汗や衣類や皮膚同士の摩擦を伴うほか、屋外では太陽光などが刺激となり症状が悪化しやすいです。またプールでは塩素消毒による刺激が加わり症状が悪化、遷延しやすいです。皮膚のバリア機能が失われると感染を合併しやすいため、スポーツ活動後のシャワーや保湿や保護などの皮膚ケアが特に重要となります。
貧血とは赤血球やヘモグロビン量が少ないことをいい、スポーツや運動に関連したものをスポーツ貧血、運動貧血と呼びます。一般に赤血球の破砕や溶血あるいは出血といった喪失による原因と、鉄やビタミンB12などの欠乏による原因がありますが、スポーツ貧血の主たる原因は鉄欠乏性と溶血とされています。
特に成長期の女性に認められやすく、運動時の疲労感や息切れなどを主訴することが多いです。正確な診断は血液検査によります。鉄欠乏性の評価には血清鉄の他、フェリチンなどの指標を組み合わせて評価します。
一方、赤色光を用いて指先からヘモグロビン推定値を算出できる非侵襲性測定機器もスポーツ現場で応用されるようになりました。アスリートの貧血治療の第一は、鉄とタンパク質、小腸での鉄吸収を助けるビタミンCをバランスよく摂取することであり、時に鉄のサプリメントが必要なこともあります。特にパフォーマンスに直結しやすい長距離種目などのスポーツ現場では、貧血対策として予防的に鉄剤の静脈注射が行われることがありますが、過剰摂取となる可能性も高く勧められません。