ビバンセ(リスデキサンフェタミン)、ADHD治療薬の違い

ビバンセ(リスデキサンフェタミン)、ADHD治療薬の違い

ADHDの治療薬には、コンサータ(メチルフェニデート)、ビバンセ(リスデキサンフェタミン)、ストラテラ(アトモキセチン)、インチュニブ(グアンファシン)があり、それらの違いをまとめました。

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ビバンセ(リスデキサンフェタミン)、ADHD治療薬の違い

由来

  • 特になし

 

特徴

  • d-アンフェタミンのプロドラッグであり、1日1回朝経口投与の中枢神経刺激剤である
  • ドパミン及びノルアドレナリンの再取り込み阻害作用とドパミン及びノルアドレナリンの遊離促進作用を有する
  • 覚醒剤原料に指定されているため管理システムに登録された医師のいる医療機関及び薬剤師のいる薬局において登録患者に対してのみ行うこと。また薬局においては調剤前に当該医師・医療機関・患者が登録されていることを確認した上で調剤を行うこと

 

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ビバンセ(リスデキサンフェタミン)は消化管で吸収された後に代謝を受けてアンフェタミンに変換されるプロドラッグ。こうすることで急激な血中濃度の上昇を抑えたり、効果の持続性向上をはかっている。

 

ビバンセ(リスデキサンフェタミン)はドパミントランスポーターやノルアドレナリントランスポーターの再取り込み阻害をしたり、シナプス小胞からのドパミン、ノルアドレナリンの遊離促進作用をもつ。その他にもドパミンやノルアドレナリンの分解酵素であるモノアミン酸化酵素A(MAO-A)を阻害することでドパミンやノルアドレナリンの濃度を高める。

 

薬局がビバンセ(リスデキサンフェタミン)を取り扱う場合は、あらかじめ流通管理委員会に登録を受ける必要がある。

 

また薬局だけでなく、医師や医療機関も登録が必要。そのため、まずビバンセ(リスデキサンフェタミン)の処方箋を受けたときに、医師と医療機関が流通管理委員会の登録リストに登録されているかを確認する必要がある。

 

 

用法用量

  • 小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日1回朝経口投与。1日70mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として20mgを超えない範囲で行う

 

不眠があらわれるおそれがあるため、就寝時間等を考慮し、午後の服用は避けることとあるため医師がどのような指示を出しているか注意が必要

 

重大な副作用

  • ショック、アナフィラキシー、皮膚粘膜眼症候群(Stevens ? Johnson 症候群)、心筋症

 

経験したこと

ビバンセ(リスデキサンフェタミン)に関連して注意欠如・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)についてまとめておく

 

注意欠如・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)の特徴には以下のようなものがある。

 

  • 不注意;うっかりミスが多い、期限を守れない、忘れ物が多いなど
  • 多動性;おとなしく座れない、騒ぐことやおしゃべりが止まらないなど
  • 衝動性;待ったり我慢ができない、思ったらすぐに行動してしまうなど

 

注意欠如・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)の薬物療法は根本的に治すものではなく、あくまでも先ほどのような衝動性、多動、不注意、攻撃性、自傷行為、興奮、情緒不安定、パニックなど二次的な障害に対する対症療法となる。

 

  • 中枢神経刺激薬;コンサータ(メチルフェニデート)、ビバンセ(リスデキサンフェタミン)
  • 非中枢神経刺激薬;ストラテラ(アトモキセチン)、インチュニブ(グアンファシン)

 

これらの注意欠如・多動性障害(attention-deficit/hyperactivity disorder;ADHD)の治療薬の主な違いとしては以下の点である。

 

  • 作用機序
  • 規制
  • 用法と持続時間
  • 主な副作用
  • 依存性

 

 

作用機序
  • コンサータ(メチルフェニデート);ドパミントランスポーター(DAT)とノルアドレナリントランスポーター(NAT)の再取り込み阻害
  • ビバンセ(リスデキサンフェタミン);ドパミントランスポーターとノルアドレナリントランスポーターの再取り込み阻害、モノアミン酸化酵素A(MAO-A)の阻害
  • ストラテラ(アトモキセチン);ノルアドレナリントランスポーターの再取り込み阻害
  • インチュニブ(グアンファシン);前頭前野のα2A受容体刺激

 

コンサータ(メチルフェニデート)の作用機序は別ページのコンサータ(メチルフェニデート)の記事を参照。

 

ストラテラ(アトモキセチン)はノルアドレナリントランスポーターの再取り込み阻害してノルアドレナリンの伝達を増強する

 

インチュニブ(グアンファシン)は前頭前野のα2A受容体刺激を刺激してノルアドレナリンの調節を行う

 

規制
  • コンサータ(メチルフェニデート);第1種向精神薬処方日数30日制限、ADHD適正流通管理システム
  • ビバンセ(リスデキサンフェタミン);覚せい剤原料、処方日数30日制限、ADHD適正流通管理システム
  • ストラテラ(アトモキセチン);なし
  • インチュニブ(グアンファシン);なし

 

用法と持続時間
  • コンサータ(メチルフェニデート);1日1回で12時間続く
  • ビバンセ(リスデキサンフェタミン);1日1回で12時間続く
  • ストラテラ(アトモキセチン);1日2回で24時間続く
  • インチュニブ(グアンファシン);1日1回で24時間続く

 

主な副作用
  • コンサータ(メチルフェニデート);食欲不振、不眠、体重減少
  • ビバンセ(リスデキサンフェタミン);食欲不振、動悸、悪心
  • ストラテラ(アトモキセチン);頭痛、食欲不振、傾眠
  • インチュニブ(グアンファシン);傾眠、血圧低下、頭痛

 

依存性
  • コンサータ(メチルフェニデート);可能性あり
  • ビバンセ(リスデキサンフェタミン);可能性あり
  • ストラテラ(アトモキセチン);なし
  • インチュニブ(グアンファシン);なし

 

コンサータ(メチルフェニデート)やビバンセ(リスデキサンフェタミン)は脳の側坐核(快楽や意欲などに関わる)に作用して依存性を形成する可能性あり

 

ストラテラ(アトモキセチン)やインチュニブ(グアンファシン)は側坐核には影響を与えないため依存性を形成することはない

 

まとめ

  • コンサータ(メチルフェニデート)やビバンセ(リスデキサンフェタミン)はADHD治療薬の中でも依存性を形成する可能性があり、処方日数の制限や流通管理がなされている

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