医薬品開発とオーファンドラッグ

医薬品開発とオーファンドラッグ

医薬品の開発には、かなりの時間とお金がかかり、また成功確率も2万分の1くらいと言われています。オーファンドラッグ(希少疾病医薬品)が開発促進されるように、優先審査などの優遇制度があります。

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医薬品開発とオーファンドラッグ

薬は当たり前のように使われていますが、そこに至るまでにはとてつもない時間とお金と労力などがかかっています。今回は医薬品開発についてみていきたいと思います。

 

 

医薬品開発の流れ

ざっくりと医薬品開発の流れは以下のようになっています。

 

  1. 新規物質の創製;新しい化学物質を作る
  2. 物理化学的性状の研究;各化学物質の性状、構造などを調べる
  3. スクリーニング;簡単な動物実験で有効なものをふるいわける
  4. 非臨床試験;薬物動態試験(ADMEを調べる)、薬理試験(作用機序などを調べる)、毒性試験(毒性や生殖への影響、発がん性などを調べる)、製剤化試験(剤形を決める)
  5. 治験届;治験で、第1相試験(少数の健常人対象とした試験)、第2相試験(少数の患者を対象とした試験)、第3相試験(より多くの患者を対象とした試験)を行う
  6. 製造販売業、製造業の許可
  7. 審査;承認申請して薬事・食品衛生審議会で審査されて問題なければ承認
  8. 薬価基準収載されたのち発売;発売後も製造販売後調査が行われ、臨床試験では不明だった効果や副作用などを調べる

 

これだけのステップを踏むため、医薬品が承認されて使われるようになるまでには一般的に10年以上の時間、500億円前後の費用が必要と言われています。また一番最初の候補物質が最終的に医薬品にまでたどり着ける確率は2万分の1くらいともいわれています。

 

よって製薬企業が医薬品開発をする時は開発に要する経費と時間、その回収や利益の見込みといった経済的な観点からの検討も必要となってきます。

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オーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)

先ほどまでの話で医薬品が開発されて世に出てくるまでに時間とお金と労力がかかるため、製薬企業は利益を出さなくてはいけないことがわかったかと思います。そうなってくると薬を開発する時に、言い方だあれですが、薬を使ってくれる患者がたくさんいる治療薬を作った方がいいという話になってきてしまいます。

 

そしてそうなってしまうと、患者数が少ない珍しい病気に対してはいつまでも薬が作られないということになってしまいます。この希少疾病医薬品をオーファンドラッグと呼ぶのですが、日本ではオーファンドラッグ(希少疾病医薬品)の開発を促進しようとする制度があります。

 

  • 助成金の交付(試験研究に必要な経費の交付)
  • 開発に関する指導や助言
  • 優先審査(承認申請されたとき、他の医薬品に優先して審査される)
  • 再審査調査期間の延長(通常8年だが、オーファンドラッグは最長10年)

 

ちなみにオーファンドラッグ(希少疾病医薬品)は国内の対象患者数が5万人未満であるなどの要件を満たして厚生労働大臣が指定する必要があります。

まとめ

  • 医薬品の開発には、かなりの時間とお金がかかる
  • オーファンドラッグ(希少疾病医薬品)が開発促進されるように、優先審査などの優遇制度がある。

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