調剤された薬剤は製造物責任法(PL法)に該当するのか?

調剤された薬剤は製造物責任法(PL法)に該当するのか?

製造物責任法(PL法)では、調剤された薬剤は含まれませんが、薬局製剤などは該当します。製造物責任法(PL法)では製造物の欠陥を立証する必要があります。

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調剤された薬剤は製造物責任法(PL法)に該当するのか?

前回の薬剤師が関わる法的責任のまとめでは、民法などを見ました。民法では故意や過失により生じた被害を賠償するものでしたが、物自体に欠陥がある場合はどうなるでしょうか?今回は製造物責任法(PL法)についてみていきたいと思います。

 

 

製造物責任法(PL法)

製造物責任法(PL法)は製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定める法律です。

 

つまり冒頭での薬剤師の故意や過失のミスは民法の対象になりましたが、製造物の欠陥により生じた被害は製造業者等は損害賠償の責任を負うと定めているのが製造物責任法(PL法)です。よって、製造物責任法(PL法)は故意や過失を立証するのではなく、製造物の欠陥を立証することになります。

 

では、製造物責任法(PL法)における「製造物」とは何を指すのでしょうか?

 

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製造物とは

製造物責任法(PL法) で「製造物」とは、製造又は加工された動産と定義されています。

 

医薬品も製造物の1つと考えられていますが、調剤された薬剤は製造物責任法(PL法) では製造物に該当しないと考えられています。なぜならば、薬剤師の調剤行為は不特定多数を対象としたものではなく、特定個人を対象としたものであり、製造行為と解釈されないからです。

 

しかし、不特定多数を対象とした血液製剤や薬局製造販売医薬品(薬局製剤)は製造物に該当すると考えられています。

 

では次に立証するのに重要な「欠陥」について確認します。

 

欠陥とは

製造物責任法(PL法) で「欠陥」とは、当該製造物の特性、その通常予見される使用形態、その製造業者等が当該製造物を引き渡した時期その他の当該製造物に係る事情を考慮して、当該製造物が通常有すべき安全性を欠いていることをいうと定義されています。

 

例えば、すでにわかっている副作用が添付文書に書かれていないなどは製造物責任法(PL法) の欠陥にあたると言えます。

 

免責事由

免責事由には以下のような場合があります。

 

  • 当該製造物をその製造業者等が引き渡した時における科学又は技術に関する知見によっては、当該製造物にその欠陥があることを認識することができなかったこと。
  • 当該製造物が他の製造物の部品又は原材料として使用された場合において、その欠陥が専ら当該他の製造物の製造業者が行った設計に関する指示に従ったことにより生じ、かつ、その欠陥が生じたことにつき過失がないこと

 

例えば、医薬品により発生した副作用が、その当時では未知の副作用であった場合は免責事由に該当すると考えられます。

 

まとめ

  • 製造物責任法(PL法)では、製造物の欠陥を立証することが重要。
  • 製造物責任法(PL法)では調剤された薬剤は含まれないが、薬局製剤は対象となる

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