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薬剤師や医療従事者はなんでもかんでも医療をやっていいわけではありません。つまり倫理観が求められます。今回は過去の歴史なども含めて医療倫理やインフォームドコンセントについてみていきたいと思います。
医療従事者がもつべき倫理規定などには以下のようなものがあります。
ヒポクラテスの誓いは、古代ギリシャの医師ヒポクラテスが、医の神アポロンらに医師が行うこと行わないことを誓った言葉です。
ヒポクラテスの誓いは、パターナリズム(強い立場にあるものが、弱い立場にあるものに対して、本人の利益になるように本人の意思に反して介入すること)が現れていますが、患者の生命健康保護、後輩たちの育成、患者のプライバシー保護、医療の平等性など現代の医療倫理の規範となるような内容が含まれています。
第二次世界大戦中に、ナチス・ドイツが行った非人道的人体実験に対して、1947年にニュルンベルクで裁判が行われました。その裁判で、研究目的の医療行為で守るべき基本原則が決められ、それがニュルンベルク綱領です。
ニュルンベルク綱領には医学的研究では、その被験者の自発的な同意が必要とすることが示され、後で説明する現代のインフォームドコンセントのもととなっています。
このニュルンベルク綱領をもとにして、1964年にヘルシンキで行われた世界医師会総会で人間を対象とする医学研究の倫理的原則が宣言され、それがヘルシンキ宣言です。
ヘルシンキ宣言も現代のインフォームドコンセントのもとになっただけでなく、医薬品の臨床試験の実施の基準に関わる省令(GCP;Good Clinical Practice)のもととなっています。GCPはいわゆる治験などに関わります。
リスボン宣言は、患者の権利に関する世界医師会の宣言であり、治療を受けるうえでの患者が持つ権利と自己決定権について明記されています。リスボン宣言の中でもインフォームドコンセントの必要性が明記されています。
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インフォームドコンセントとは、十分な説明と理解に基づく同意などと訳されます。先ほどまでの医療倫理の規定をもとに考えられています。
患者は医療従事者の手を借りて自らの治療方法を選ぶ権利があり、自分の病状に合わせて選択しうる治療方法について十分に理解して、そのうえで治療方法を選ぶことが重要です。
インフォームドコンセントをもとに患者側も医療従事者側もお互いが納得できる方法で医療が行われるのがベストです。そのためにも医療従事者は患者に情報提供をし、患者は医療従事者に協力をしていく関係性がとても大事と言えます。