セルフメディケーションの対象となる乾燥肌とOTCのまとめ

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セルフメディケーションの対象となる乾燥肌とOTC

冬になると肌が乾燥してカサカサします。さらにひどくなると、かゆくなってかきむしってしまいます。今回は乾燥肌について見ていきます。

 

 

乾燥肌は皮膚に含まれる水分量が減り、皮膚が乾燥している状態です。乾燥肌の症状としては皮膚がカサカサしたり、白い粉をふいたりします。さらに悪化すると、皮膚がかゆくなったり、ひび割れや掻き壊しなどが起こることもあります。

 

乾燥肌が起こりやすい部位は、顔、かかと、ひじ、膝、すねなどがあります。あとは手洗いをするため、乾燥肌を起こしやすいです。

 

皮膚の構造

皮膚は体の外側から、表皮、真皮、皮下組織よりなります。さらに表皮は、角質層、顆粒層、有棘層、基底層からなります。この中でも、角質層が皮膚のバリア機能や肌の潤いに関わります。

 

 

角質層の表面を覆っている皮脂膜は、皮膚の水分の蒸発を防ぎ、外から加わる刺激を軽減して皮膚を守っています。

 

皮脂膜の下には角質細胞がたくさん重なっていて、その間の角質細胞間脂質は脂肪酸やセラミドからできています。特にセラミドが水分保持に関わります。他にも角質細胞の中には尿素などの保湿因子があり、これも水分保持に関わっています。

 

乾燥肌になると、これらのバランスが崩れて外からの刺激を受けやすくなり、かゆみを起こします。さらに掻き壊してバリア機能が失われて、もっと悪化してしまいます

 

受診勧奨すべき乾燥肌

受診勧奨すべき乾燥肌の例には以下のようなものがあります。

 

  • かゆみや湿疹が改善しない、皮膚のただれがひどい;皮膚感染症の可能性
  • 基礎疾患;アトピーなど

 

 

乾燥肌に使われるOTCの成分

保湿剤
ワセリン

 

  • 減少した皮脂を補い、水分の蒸発を防ぐ

 

尿素

 

  • 水分保持作用と角質軟化作用があり、カサカサになった角質の表面をなめらかにする

 

ヘパリン類似物質

 

  • 水分保持作用と血行促進作用を持ち、刺激が少ない

 

かゆみ止め
ジフェンヒドラミン、リドカイン

 

 

ステロイド
デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロン、ヒドロコルチゾン酪酸エステル、ヒドロコルチゾン酢酸エステル、プレドニゾロン

 

  • デキサメタゾン、吉草酸酢酸プレドニゾロンの強さはストロング
  • ヒドロコルチゾン酪酸エステルの強さはマイルド
  • ヒドロコルチゾン酢酸エステル、プレドニゾロンの強さはウィーク

 

その他の抗炎症成分
グリチルリチン酸

 

  • 抗炎症成分として、保湿剤に配合されていることもある

 

OTCの選択

ステロイドの選択

ステロイドは本来医療用などでは、もっと強いストロンゲストやベリーストロングといったものもありますが、OTCではストロングまでとなっています。これらの使い分けを見てみましょう。

 

まず部位ですが、顔の皮膚は薄く他の部位よりも吸収がよいため、マイルド以下のステロイドを使うことが一般的です。また高齢者や小児も肌が弱くマイルド以下を選ぶことが一般的です。

 

 

剤形の選択

剤形には大きく3つのものがあります。

 

  • 軟膏;皮膚の刺激が少ないが、油脂の含有量が多くべたつきはある
  • クリーム;軟膏のべたつきが嫌な人に
  • ローション;水分が多いため浸透性がよく、有毛部位などにも使いやすい

 

一般的には夏はローション、冬は軟膏を選ぶと不快感無く使えることが多いです。

 

保湿剤の塗り方

患者さんから話を聞いていると、保湿剤をケチったり、正しい量を使えていないことがあります。

 

保湿剤は皮膚が水分を吸収している入浴後に塗ると効果的です。しかし、皮膚の水分は入浴後すぐに蒸発してしまうため、入浴後10分以内に塗るのが理想的です。そのため、保湿剤を塗る前に水や化粧水で皮膚に水分がある状態だと、より保湿効果が高まります。

 

 

保湿剤の量の目安として、軟膏は人差し指の先から第一関節まで伸ばした量で、手のひら2枚分の面積に塗ることができます。ローションの場合は500円玉1枚分の大きさで手のひら2枚分の面積となります。

 

まとめ

  • 基礎疾患にアトピーがある乾燥肌の場合は受診勧奨
  • 患部が顔であったり、患者が高齢者や小児の場合はマイルド以下のステロイドを使うことが一般的。
  • 保湿剤の量の目安として、軟膏は人差し指の先から第一関節まで伸ばした量で手のひら2枚分の面積を塗ることができる。

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