セルフメディケーションの対象となる胃もたれと胸やけ、OTCの薬のまとめ

Sponsored Link

セルフメディケーションの対象となる胃もたれや胸やけとOTC

胸やけや胃もたれを訴える患者は多く、OTCの薬を販売する機会は意外とあります。今回は、胸やけや胃もたれに使われるOTCの薬を見ていきます。私も先日、焼き肉食べ放題に行って死ぬほど食べたら、次の日胃もたれがヤバかったです。学生の頃はなかったのになぁ・・・年を感じます(笑)

 

 

胸やけは胃酸などが食道内に逆流して、食道の粘膜を刺激することで起こります。胸やけは、みぞおち付近から口側にかけてのチリチリした症状と言われていますが、他にも酸っぱいものが上に上がってくる、胸が熱い、胃が重い、胃がムカムカするなど症状の表現方法は患者によって様々です。

 

 

胃もたれは消化器の運動機能が落ちることで起こります。特に脂肪分の多い食べ物は胃から十二指腸への排出が遅く、胃もたれを起こしやすいです。胃もたれは、みぞおち付近が張って不快感のある症状と言われていますが、空腹感が無い、すぐに満腹になるなど症状の表現方法は患者によって様々です。

 

 

受診勧奨すべき症状

 

  • 胸やけが長期間続く(胃食道逆流症の可能性)
  • 血便、体重減少を伴う食欲不振や吐き気(胃がんの可能性)
  • 黒色便、空腹時激しい腹痛(消化性潰瘍の可能性)
  • 背中の痛みを伴う激しい腹痛(急性膵炎の可能性)

 

では、OTCの薬を見てみましょう。

 

Sponsored Link

Sponsored Link


 

OTCの胃薬

OTCの胃薬を選ぶときには、胃酸を抑える薬か、胃の働きを良くする薬かを考えることが必要です。

 

 

まず胸やけにはH2ブロッカー、制酸成分、胃粘膜保護成分などが入っている薬を選びます。効果がなければ胃の運動機能が低下していると考え、胃腸機能調整成分が入っている薬を選びます。

 

胃もたれは胸やけとは逆に、胃腸機能調整成分が入っている薬を選びます。効果が無ければ胃酸が関連した症状と考えて、H2ブロッカーを選びます。

 

制酸成分

出過ぎた胃酸を中和します

 

炭酸水素ナトリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、合成ヒドロタルサイト、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、乾燥水酸化アルミニウムゲル、沈降炭酸カルシウム

 

  • 即効性があるが、持続時間は短め
  • アルミニウム製剤では便秘、マグネシウム製剤では下痢が起こることがある
  • アルミニウム製剤は透析患者ではアルミニウム脳症などの中毒を起こす可能性があるため禁忌

 

 

H2ブロッカー

胃の壁細胞にあるH2受容体を阻害します。

 

ファモチジン、ニザチジン、ロキサチジン酢酸エステル塩酸塩

 

  • 胃酸分泌抑制作用はOTCの中でも強力
  • 持続性があり、寝る前服用で夜間にも効果が期待できる

 

抗コリン薬

胃酸分泌の抑制や鎮痙作用もあります。

 

ロートエキス、ブチルスコポラミン臭化物、ピレンゼピン

 

  • ブチルスコポラミン臭化物は鎮痙作用に優れており、けいれん性の痛みに効果あり
  • ピレンゼピンは、胃酸分泌を選択的に抑制
  • 閉塞隅角緑内障や前立腺肥大による排尿障害のある人などには禁忌

 

 

胃粘膜保護成分

胃の粘膜を保護します。

 

スクラルファート水和物、アルジオキサ、ゲファルナート、メチルメチオニンスルホニウムクロライド、セトラキサート塩酸塩、ソファルコン、テプレノン

 

スクラルファートとアルジオキサはアルミニウム含有のため透析患者には禁忌

 

局所麻酔薬

胃粘膜に対する局所麻酔作用や、胃酸分泌抑制作用を持ちます。

 

オキセサゼイン

 

かみ砕いてしまうと、口の中で成分が出てしびれを感じることがあるため、かまずに飲み込む

 

 

胃腸機能調整成分

胃の機能が低下したときに使われます。

 

dl-カルニチン塩酸塩、トリメブチンマレイン酸塩

 

消化管の運動調節作用がある

 

消化酵素

消化酵素を補い、消化を助けます。

 

ジアスターゼ、ジアスメン、プロザイム、ニューラーゼ、リパーゼ、ポリパーゼ、セルラーゼ、セルロシン、タカヂアスターゼ、パンクレアチン、ビオヂアスターゼ、ビオタミラーゼ

 

  • ジアスターゼ、ジアスメンはでんぷん消化酵素
  • プロザイム、ニューラーゼはタンパク質消化酵素
  • リパーゼ、ポリパーゼは脂肪消化酵素
  • セルラーゼ、セルロシンは繊維質消化酵素
  • タカヂアスターゼ、パンクレアチン、ビオヂアスターゼ、ビオタミラーゼは複合消化酵素

 

漢方薬

胸やけや胃もたれを感じたときに使われるOTCの漢方薬です。

 

安中散

 

  • やせ型で比較的体力の低下した人に使用
  • 慢性的な胃痛や胸やけ場合に使用

 

平胃散

 

  • 体力が中程度の人に使用
  • 消化障害をきたして、心窩部、不快感、腹部膨満感などがある場合に使用

 

六君子湯

 

  • 比較的体力が低下した人に使用
  • 胃腸機能が低下し食欲不振や心窩部の膨満感などがある場合に使用

 

患者さんの症状を聞き取り、合いそうな成分が入っているものを選びましょう。

 

まとめ

  • 胸やけは胃酸などが食道内に逆流して起こることが多い。
  • 胃もたれは消化器の運動機能が落ちて起こることが多い。
  • 胸やけにはH2ブロッカー、制酸成分、粘膜保護成分が入っているOTCの薬を選ぶ。
  • 胃もたれには胃腸機能調整成分が入っているOTCの薬を選ぶ。

就職や転職でお悩みの方はコチラ!私はここで年収120万円上がりました

Sponsored Link

セルフメディケーションの対象となる胃もたれや胸やけとOTC 関連ページ

セルフメディケーションの対象となる頭痛とOTC
セルフメディケーションの対象となる頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛です。これらのセルフメディケーションに使われるOTCは、ピリン系と非ピリン系に大きく分けられます。
セルフメディケーションの対象となる筋肉痛や関節痛とOTC
セルフメディケーションの対象となる筋肉痛や関節痛の症状としては肩こり、筋肉疲労、捻挫などがあります。筋肉痛や関節痛に使われるOTCは軽度うあNSAIDs禁忌の場合はサリチル酸系を使います。
セルフメディケーションの対象となる風邪とOTC
セルフメディケーションの対象となる風邪は初期のものや症状が軽いものであり、それ以外は受診勧奨します。患者の話を聞いて、症状にあった成分を含んでいるOTCを選ぶことが重要です。
セルフメディケーションの対象となる便秘とOTC
基礎疾患があり、腸の形態に問題ある便秘のときは受診勧奨しましょう。便秘のセルフメディケーションで使われるOTCのうち、酸化マグネシウムやピコスルファートナトリウムは妊婦に使いやすい薬です。
セルフメディケーションの対象となる下痢とOTC
血便、黒色便、発熱や吐き気のある下痢の場合はセルフメディケーションせず受診勧奨しましょう。セルフメディケーションする時に、妊婦や小児には整腸剤が使いやすいです。
セルフメディケーションの対象となるニキビとOTC
ニキビは皮脂などで毛包が詰まってしまった状態です。セルフメディケーションのOTCは、白ニキビや黒ニキビには角質軟化成分や殺菌成分を、赤ニキビや黄ニキビには殺菌成分や炎症成分を用います。
セルフメディケーションの対象となる水虫(白癬)とOTC
水虫(白癬)は白癬菌が原因で、ケラチンを好むため足の裏、手のひら、爪、毛などに集まりやすいです。水虫(白癬)のOTCを選ぶときは成分だけでなく、剤形も適切なものを選ぶことが重要です。
セルフメディケーションの対象となる花粉症とOTC
医療費の観点から、これから花粉症もOTCを使ってセルフメディケーションしなければならなくなると思います。セルフメディケーションの対象となる花粉症とOTCについてまとめました。
セルフメディケーションの対象となる眼の疾患とOTC
眼瞼炎、雪目、眼の乾き、結膜炎、眼精疲労などがOTCでセルフメディケーション対応が可能です。コンタクトレンズの場合は、いったん外して点眼し、5分後につけ直します。
セルフメディケーションの対象となる乾燥肌とOTC
基礎疾患にアトピーがある乾燥肌の場合は、セルフメディケーションの対象とならないので受診勧奨しましょう。乾燥肌に使うOTCのうち、保湿剤は正しい量を使いましょう。
セルフメディケーションの対象となる日焼けとOTC
日焼けの原因となるのは紫外線です。紫外線の中でも皮膚に影響を与えるのはUVAやUVBです。水ぶくれを伴う日焼けは、OTCを使いセルフメディケーションできないので、受診勧奨しましょう。
セルフメディケーションの対象となるしみとOTC
しみの原因となる紫外線は、主にUVAやUVBなどがあります。しみはセルフメディケーションの対象となるOTCがありますが、しわはセルフメディケーションできないので受診勧奨しましょう。
セルフメディケーションの対象となる湿疹やかゆみとOTC
セルフメディケーションの対象となる湿疹やかゆみに使われるOTCは、症状がかゆみのみで炎症がなければ抗ヒスタミンの外用薬、かゆみ以外にも赤身や腫れがあり炎症が軽めならNSAIDsの外用薬、炎症が強ければステロイド外用薬を使います。
セルフメディケーションの対象となる痔とOTC
痔ろう又は、痔核(いぼ痔)裂肛(切れ痔)のひどいものは受診勧奨します。痔のセルフメディケーションで使われるOTCは、坐薬、注入軟膏、内服薬などの種類があります。
セルフメディケーションの対象となる乗り物酔いとOTC
乗り物酔いのうち、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、自律神経失調症などの基礎疾患を持つ乗り物酔いの場合は受診勧奨が必要です。セルフメディケーションの対象となる乗り物酔いとOTCの成分をまとめています
セルフメディケーションの対象となる不眠とOTC
不眠でセルフメディケーション可能なのは、一過性不眠で、時差ボケで昼夜が逆転してしまった、寝つきが悪い、眠りが浅い場合だけで、他は受診勧奨しましょう。セルフメディケーションの対象となるOTCの成分のまとめです。
セルフメディケーションの対象となる口腔周辺トラブルとOTC
口腔周辺トラブルでOTCでセルフメディケーションの対象となるものには、口内炎、口唇ヘルペス、歯周病、口臭、ドライマウスなどがあります。

 
HOME プロフィール お問い合わせ