セレネース注(ハロペリドール)、せん妄に使われる抗精神病薬のまとめ

セレネース注(ハロペリドール)、せん妄に使われる抗精神病薬のまとめ

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セレネース注(ハロペリドール)、せん妄に使われる抗精神病薬のまとめ

由来

  • Serene(静かな、穏やかな)+ace(優秀な)で、すぐれた鎮静・静穏化剤の意味をもつ

 

特徴

  • 非経口投与(注射)による臨床試験において、統合失調症とそう病に有効性が認められた

 

 

セレネース注(ハロペリドール)の作用機序はD2受容体を遮断する

 

用法用量

  • 成人1回5mgを1日1〜2回筋肉内または静脈内注射する。適宜増減

 

急激な精神運動興奮などで、緊急を要する場合に用いる」と添付文書記載されているのは珍しい

 

重大な副作用

  • 悪性症候群、心室細動、心室頻拍、麻痺性イレウス、遅発性ジスキネジア、抗 利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、無顆粒球症、白血球減少、血小板減少、横紋筋融解症、肺塞栓症、深部静脈血栓症、肝機能障害、黄疸

 

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経験したこと

セレネース注(ハロペリドール)に関連してせん妄についてまとめておく。せん妄には以下のような分類がある。

 

  • 過活動型せん妄;運動活動性の量的増加、活動性の制御喪失、不穏、徘徊など
  • 低活動型せん妄;活動量・行動速度の低下、状況認識の低下、会話量の低下、無気力、覚醒の低下・ひきこもり
  • 混合型せん妄;過活動型せん妄と低活動型せん妄の症状が1日の中でも混在

 

まずせん妄の予防にはロゼレム(ラメルテオン)が有効ではないかと考えられている。次にせん妄に抗精神病薬を用いて良いのかということを考えた時に以下のようなフローチャートとなる

 

 

  1. 低活動型せん妄かどうか
  2. 注射なのか内服なのか
  3. 糖尿病の既往

 

低活動型せん妄かどうか

低活動型せん妄の場合は何も使わない。もし過活動型せん妄ならば次のフローチャートへ

 

注射なのか内服なのか

注射が使えるのならば、セレネース(ハロペリドール)を用いる。内服であれば次のフローチャートへ

 

糖尿病の既往

セロクエル(クエチアピン)、ジプレキサ(オランザピン)は糖尿病では禁忌となるため、糖尿病の既往がなければセロクエル(クエチアピン)、ジプレキサ(オランザピン)などを用いる。セロクエル(クエチアピン)は半減期が短いのに対して、ジプレキサ(オランザピン)は剤型が多いのがメリット

 

もし糖尿病の既往があるならば、ルーラン(ペロスピロン)やリスパダール(リスペリドン)などを用いる。先ほどと同様にルーラン(ペロスピロン)は半減期が短いのに対して、リスパダール(リスペリドン)は剤型が多いのがメリット

 

今回登場した薬に関して効果の面はあまり変わらないので、投与法や副作用(パーキンソニズム、鎮静、起立性低血圧)の面からまとめておくと以下のようになる

 

  • セレネース(ハロペリドール);注射では使いやすい。パーキンソニズム(++)、鎮静(+)、起立性低血圧(++)
  • セロクエル(クエチアピン);糖尿病では禁忌。パーキンソニズム(-)、鎮静(++)、起立性低血圧(++)
  • ジプレキサ(オランザピン);糖尿病では禁忌。パーキンソニズム(+)、鎮静(+)、起立性低血圧(+)
  • ルーラン(ペロスピロン);糖尿病ある場合などに。パーキンソニズム(+)、鎮静(+)、起立性低血圧(-)
  • リスパダール(リスペリドン);糖尿病ある場合などに。また腎排泄なので注意。パーキンソニズム(++)、鎮静(+)、起立性低血圧(+)

 

 

まとめ

  • 過活動型せん妄に抗精神病薬を使う場合、注射薬ならセレネース注(ハロペリドール)が使いやすい

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