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認知症を鑑別するのにあたって、紛らわしいものの1つにせん妄があります。合併する場合もあるので難しいですが今回はせん妄についてみていきたいと思います。
せん妄とは様々な原因によって起こる意識障害です。具体的にせん妄の症状としては認知障害、幻覚、妄想などがあり、これらは認知症でも起こりうる症状なため専門医以外で見分けることが難しいです。
せん妄のイメージは木を考えるとわかりやすいです。
根などの下の部分を脳や全身と考えると、幹の部分が意識となります。そして幹の上の部分の葉や枝の部分は意欲、思考、知覚、気分、認知、記憶などとなります。せん妄はこの木のうち、幹の部分である意識のところにヒビが入ります。
幹の部分である意識のところにヒビが入った結果、それより上の部分である葉や枝の部分である意欲、思考、知覚、気分、認知、記憶も障害されて様々な症状が起こります。
様々な症状を起こす一方、意識という観点で外側から見ると注意障害という症状しか見えないのでせん妄の鑑別は専門医以外では難しいのです。せん妄を考えるにあたって、以下のようにアセスメントしていくことが重要です。
CAMは、the Confusion Assessment Methodの略でキャムと呼ばれるせん妄の評価基準の1つです。CAMは以下のような項目からなります。
これらの項目のうち1、2は必須で3、4があるとせん妄と判断します。
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せん妄の要因は以下のようなものがあると考えられています。
これらの要因はよく焚火に例えられていて、せん妄自体は焚火の火、直接因子はライター、準備因子は薪、促進因子は油となります。
直接因子には以下のようなものがあります。
準備因子には以下のようなものがあります。
促進因子には以下のようなものがあります。
直接因子や準備因子は患者自身が元々持っているものなどがあり言ってしまえば防ぐことが困難な要因と言えます。それに対して促進因子は医療従事者が介入することができるので、せん妄を予防するには促進因子に力をいれることが重要と言えます。