スポーツアスリートにおける感染症や気管支喘息の注意点

スポーツアスリートにおける感染症や気管支喘息の注意点

スポーツアスリートのインフルエンザやB型肝炎などの感染対策としては運動、スポーツ環境の衛生管理だけでなくワクチンによる予防も有用です。気管支喘息治療薬を使用する際は使用条件やTUEの確認を

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スポーツアスリートにおける感染症や気管支喘息の注意点

スポーツに関係する内科系の病気として、感染症や気管支喘息などのトラブルなどがあります。今回はそれらをみていきたいと思います。

 

 

呼吸器感染症

風邪はアスリートでも頻繁に起き、市販薬の中には禁止物質(エフェドリン類)を含むものがあり、試合直前や試合時は注意が必要です。

 

またインフルエンザや新型コロナ(COVID-19)はチームスポーツやスポーツイベント管理への影響が大きく管理が重要となります。そのため、これらの疾患の際の競技復帰は以下のような目安となっています。

 

  • 鼻、喉などの上気道症状のみ;運動量の調整下で継続可
  • 下気道症状・全身症状;運動中止

 

感染対策としては運動、スポーツ環境の衛生管理はもちろん重要ですが、インフルエンザワクチンによる予防対策も大変有効とされています

 

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消化器感染症

消化器感染症の代表例にはノロウイルスがあります。ノロウイルスは合宿などでの集団生活ではトイレなどの設備の共用などにより感染が起こりえます。塩素系消毒剤による適切な処理が必要です。

 

また肝炎についてはA型やB型によって感染経路が異なってきます。A型は経口感染であり、特に海外遠征先での汚染食物の摂取による発生が多いと言われています。それに対してB型はコンタクトスポーツにおいて血液や体液の接触を伴いやすく、格闘系のスポーツでは感染危険性が高まります。そのため、競技によっては試合中の止血処置等について規則に定めていることがあります

 

B型肝炎もB型肝炎ワクチン接種による予防対策も大変有効とされています

 

気管支喘息

運動は喘息の増悪因子の一つとして知られており、そのためかアスリートにおける気管支喘息の有病率は一般人口よりも若干高いと考えられます。スポーツとの関連ではプール水質管理のための塩素系消毒剤やスケートリンクでのディーゼル製氷車の排気ガスとの関連などが報告されています。このため大きい換気量を要し、乾燥冷気のもとで行われるクロスカントリースキーやスピードスケートなどの冬季持久系種目での有病率が高いことが知られています。

 

気管支喘息の治療方針は、気道炎症を抑制する糖質コルチコイドや気管支拡張作用を有する交感神経β2作用薬の吸入薬を基本として、ロイコトリエン拮抗薬や抗アレルギー薬なども使われたりします。糖質コルチコイドとβ2作用薬は薬剤の使用が禁止されていることが多く、使用条件やTUE申請手続きの必要性について確認が必要となってきます。

 

運動誘発性喉頭閉塞(EILO)

気管支喘息や運動誘発喘息では呼気時に気道狭窄症状を生じるのに対し、運動誘発性喉頭閉塞(EILO)は運動誘発性に吸気時の狭窄を示す疾患です。

 

運動誘発喘息は運動中止後もしばらく症状が継続するのに対し、運動誘発性喉頭閉塞症では運動とともに症状がピークに達し運動中止後速やかに改善する特徴があり、ここが違いとなります。

 

過換気症候群

換気は延髄の呼吸中枢で自発的にコントロールされると同時に、動脈血酸素分圧などの化学性調節、肺伸展受容器などの機械的受容器からの神経性調節、延髄より高位の脳からの行動性調節によりコントロールされるとされています。

 

このコントロールバランスが崩れると過換気の状態となり、体内から二酸化炭素が排出されて低炭酸ガス血症となり、血中の水素イオン濃度が低下してアルカリ性となる呼吸性アルカローシスを生じます。

 

身体的精神的ストレスなどが契機となって発作性に過換気を生じ、呼吸困難感や動悸、意識障害や全身の硬直を伴う特定の病気の原因によらない病態を過換気症候群と呼びます。特にテタニーで生じる手指の硬直が度々認められます。また、対処困難な状況としてのパニック障害としても捉えられています。

 

現場での対応としては、可能であれば酸素モニタなどで過換気による高酸素血症を確認します。動脈血酸素飽和度SPO2は98〜100%を示します。そして、酸素状態をモニタしながら、呼吸を調整して回復させることが基本となります。

 

スポーツ現場では紙袋などを口元に当てて吐出した空気を再び吸わせるペーパーバック再呼吸法がよく知られていましたが、安全性の面から現在では用いられません。むしろ心筋梗塞や気胸、気管支喘息などの病気に伴う場合を常に念頭に置くべきで、スポーツ活動では熱中症症状の一つとして過換気が認められることもあります。病院と異なり十分なモニタリングができないこともあり、スポーツ現場では安静でしばらくしても改善を見ない場合には救急要請を行う必要があります。

 

まとめ

  • 感染対策としては運動、スポーツ環境の衛生管理だけでなくワクチンによる予防も有用
  • 気管支喘息治療薬を使用する際は使用条件やTUEの確認に特に気を付ける

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