臨床試験、GCPとは?

臨床試験、GCPとは?

治験などの臨床試験はヘルシンキ宣言やGCPをもとに行われます。治験は第T相試験、第U相試験、第V相試験の流れで行われます。

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臨床試験、GCPとは?

前回の非臨床試験、GLPとは?では非臨床試験についてみました。薬の開発において非臨床試験を終えたら、次は臨床試験に進んでいきます。今回は臨床試験の概要についてみていきたいと思います。

 

 

ヘルシンキ宣言

臨床試験は人を対象とした試験であるため、科学的、倫理的な面からも適切に行われなければなりません。その根幹にあるものがヘルシンキ宣言です。ヘルシンキ宣言は被験者の保護を最優先にしながら、臨床試験を行うのに重要な役割を果たしています。

 

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GCPとは

GCPは、Good Clinical Practiceの略で、医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令と訳されます。

 

GCPは医薬品の承認申請などの目的で行われる臨床試験について、被験者の人権の保護、安全の保持、福祉の向上を図り、試験の科学的な質や成績の信頼性を確保するために定められた基準です。

 

ちなみに、前回のGLPはなんの略だったか覚えているでしょうか?もし忘れていたら要復習です(笑)これもClinical=臨床と意識することでGCPは覚えられると思います。

 

治験

臨床試験のうち、医薬品の承認申請資料として用いることを目的として行われる臨床試験を治験と言います。要するに、治験は臨床試験の一部ということです。

 

治験の依頼をしようとするものは厚生労働大臣に治験実施計画書を提出しなければならず、初めて治験の計画を届け出た時は原則として治験の届け出をしてから30日経過しなければ治験を開始できません。

 

治験には以下のような段階に分けられています。

 

  • 第T相試験
  • 第U相試験
  • 第V相試験

 

第T相試験

第T相試験は臨床薬理試験とも呼ばれ、健康成人(ボランティア)を対象として、副作用が発現しても十分に耐えられるかなどの安全性をメインに試験を行います。

 

第T相試験はその他にも薬物動態試験(PK試験)や薬力学試験(PD試験)なども行われます。

 

第U相試験

第T相試験で安全性などが確認出来たら、次は第U相試験に移ります。第U相試験は探索的試験とも呼ばれ、少数の患者を対象として、治験薬の最適な投与量や投与方法を探すことをメインに試験を行います。

 

第U相試験ではその他にも適応疾患の特定なども行われます。

 

第V相試験

第U相試験で推定された用法用量をもとに、最後に第V相試験に移ります。第V相試験は検証的試験とも呼ばれ、多くの適応疾患患者を対象として第U相試験までで確認された安全性や有効性が正しいかどうかの確認をメインに試験を行います。

 

第V相試験では、無作為化二重盲検比較試験で行われることが多いです。無作為化二重盲検比較試験とは、その名の通り無作為化された二重盲検比較試験(被験者も医療従事者側も治験薬を使っているか、標準薬を使っているかわからない試験)です。

 

まとめ

  • GCPは臨床試験などが正しく行われるための基準
  • 治験は第T相試験、第U相試験、第V相試験の流れで行われる

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