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前回の製剤、日本薬局方の甘味を含む剤形(エリキシル剤、シロップ剤、リモナーデ剤)のまとめでは甘味を含む剤形をまとめました。今回は無菌で作らなければならない剤形について見ていきます。
薬を体内に入れる時に、細菌などがついてしまっていたら感染を起こしてしまうおそれがあります。そのため日本薬局方で、一部の剤形は無菌であることが条件となっているものがあります。代表例には以下のようなものがあります。
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注射剤は、日本薬局方で皮下、筋肉内又は血管などの体内組織・器官に直接投与する、溶液、懸濁液若しくは乳濁液又は用時溶解若しくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤であると定義されています。
注射剤はインスリンをはじめ、輸液などイメージしやすい剤形かと思います。経口困難でも投与できるため病院では必須の剤形です。病院で何かと使われる注射ですが、配合変化や感染症の管理なども必要となってきます。
注射剤には、水性注射剤、非水性注射剤、懸濁性注射剤、乳濁性注射剤などの種類があります。中でも懸濁性注射剤は粒子が150μm以下で血管内又は脊髄腔内に使用しない、乳濁性注射剤は7μm以下で脊髄腔内に使用しないとなっています。
注射剤は多くの試験法がありますが、中でもエンドトキシン試験法、発熱性物質試験法、無菌試験法がとても重要です。
エンドトキシンは細胞内毒素とも呼ばれ、グラム陰性菌にあり、体内に入ると発熱などが起こってしまいます。
エンドトキシン試験法は、そのエンドトキシンを試験する方法となります。カブトガニの血球抽出成分から調整されたライセート試薬というものを使いますが、国家試験的にはなぜかカブトガニが重要となっています(笑)
先ほどのエンドトキシン試験法は困難な場合に、発熱性物質試験法が行われます。
発熱性物質試験法はウサギを用いて試験します。おそらくさきほどのカブトガニの関係上、こちらも国家試験的にウサギが重要となっています。私の大学の卒業試験の過去問にウサギではなく、ウナギというエグイ問題がありました。問題文をよく読みましょう(笑)
ウサギを抱っこするとホカホカあったかいことから発熱と結び付けられれば覚えられると思います。ウサギをしっかり覚えれば消去法でカブトガニを選べます。
無菌試験法にはメンブランフィルター法と直接法があります。
かなりざっくりですが、メンブランフィルター法は、フィルターを使って微生物を集めて培養します。直接法は名前の通り直接微生物を集めて培養します。そして培養したものを後日確認するといった試験方法になります。
密封容器又は微生物の混入を防ぐことのできる気密容器
点眼剤は、日本薬局方で結膜嚢などの眼組織に適用する、液状、又は用時溶解若しくは用時懸濁して用いる固形の無菌製剤と定義されています。
おそらく目薬も使ったことのない人はいないと思います。ちなみに私は注射も目薬も苦手です。お子様(笑)
点眼剤にも水性点眼剤、非水性点眼剤、懸濁性点眼剤などがあり、懸濁性点眼剤は最大粒子径が75μm以下と決められています。数字を引っ掻けてくるので、ゴロで覚えましょう。
ゴロの物語不要だと思います。誰かの和んだ目を想像してください(笑)
点眼剤もいくつか試験がありますが、先ほどの注射剤同様、無菌試験法に適合する必要があります。
眼軟膏剤は、日本薬局方で結膜嚢などの眼組織に適用する半固形の無菌製剤と定義されています。
眼軟膏剤は点眼剤と比べて、涙で希釈されにくく、長時間とどまり成分を供給してくれます。しかし、患者によっては目薬より扱いにくく、正しく塗れないことがあります。
眼軟膏剤も粒子の最大径は75μm以下とされているので、先ほどのゴロで覚えてください。
眼軟膏剤もいくつか試験がありますが、先ほどの注射剤同様、無菌試験法に適合する必要があります。