薬の分布における毛細血管壁と血漿タンパク質のまとめ

Sponsored Link

薬の分布、毛細血管壁と血漿タンパク質

前回の薬の吸収は非撹拌水層、溶解速度、胃内容排出速度などの影響を受ける。では吸収について確認しました。今回からは分布を確認していきます。

 

 

吸収され、循環血液中にのった薬は組織に行きます。これを分布と呼ぶのでしたね。薬は血液中にそのままいる非結合形薬物と、タンパク質にくっついた結合形薬物という2つの形で存在しています。これらのうち、非結合形薬物のみが毛細血管壁を透過して組織細胞内に分布することができます。

 

組織細胞内でも同様に、非結合形薬物と結合形薬物で薬は存在し、このうち薬理作用を発現するのは非結合形薬物となります。

 

 

分布のおおまかな内容はこんな感じになります。今回はそのうち毛細血管壁や血漿タンパク質を細かく見ていきます。

 

毛細血管壁

毛細血管壁は、微妙に隙間が空いていて、主に3つにわけられます。

 

  • 連続内皮;隙間が小さく高分子物質やタンパク質は透過できない。代表例は脳
  • 有窓内皮;隙間は中くらいで高分子物質は透過できない。代表例は腎
  • 不連続内皮;隙間は大きく高分子も低分子も透過できる。代表例は肝

 

 

次は、薬がくっつく血漿タンパク質をみていきます。

 

Sponsored Link

Sponsored Link


 

血漿タンパク質

血漿タンパク質は様々な種類がありますが、代表例にはアルブミン、α1-酸性糖タンパク質などがあります。

 

アルブミン

血漿タンパク質の中で、最も多く存在するのがアルブミンです。アルブミンは、酸性の薬と親和性が高く、その代表的な薬の名前とともに、結合部位が3つあります。

 

  • サイトT(ワルファリンサイト);ワルファリン、インドメタシンなど
  • サイトU(ジアゼパムサイト);ジアゼパム、イブプロフェンなど
  • サイトV(ジギトキシンサイト);ジギトキシン、ジゴキシンなど

 

覚え方として、サイト「ワ」ンは「ワ」ルファリンサイトのワつながりで覚えましょう。

 

サイトUは、サイトUは4文字、ジアゼパムは5文字と文字数つながりで覚えましょう。

 

サイトVは消去法です。

 

 

α1-酸性糖タンパク質

先ほどのアルブミンが酸性薬物と親和性が高かったのに対して、α1-酸性糖タンパク質は塩基性薬物と親和性が高いです。塩基性薬物の代表例には、プロプラノロールやリドカインなどがあります。

 

α1-酸性糖タンパク質と名前に酸性がつくため、塩基性とくっつきやすいイメージを持ちましょう。こっちを覚えればアルブミンは消去法で覚えられます。

 

まとめ

  • 分布では非結合形薬物が組織に移行できる。
  • 血漿タンパク質の代表例にアルブミンやα1-酸性糖タンパク質がある。

Sponsored Link

薬の分布、毛細血管壁と血漿タンパク質 関連ページ

ADMEと肝初回通過効果の概要
薬を経口投与した後は、吸収、分布、代謝、排泄といったADMEと呼ばれる流れを受けます。薬を経口投与する際には、肝初回通過効果を受け、一部の薬が代謝されます。
薬の吸収は非撹拌水層、溶解速度、胃内容排出速度などの影響を受ける。
経口投与された薬は小腸から吸収され、肝初回通過効果を受けます。吸収された薬に影響を与える要因として、非撹拌水層、溶解速度、胃内容排出速度などがあります。
薬の分布、結合定数とLangmuir(ラングミュア)式
薬の結合定数を測定する方法には、平衡透析法、限外ろ過法などがあります。平衡透析法では計算問題、Langmuir(ラングミュア)式ではグラフがどうシフトするのかが問われます。
薬の分布、血液脳関門と分布容積
脳への薬の分布に血液脳関門関わり、脂溶性が高く、分子量が小さいものが血液脳関門を透過しやすいです。分布容積は分布のしやすさを表す指標です。
薬の代謝、CYPの阻害と誘導
分布した薬は代謝を受けて排泄の準備が行われます。代謝に関わるものにシトクロムP450というものがあり、酸化反応に関わります。CYPは薬によって阻害や誘導を受けます。
薬の排泄は糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収より行われる。
薬は胆汁中排泄などもありますが、基本的には糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収により排泄されます。クレアチニンの腎クリアランスは腎機能の指標となります。
生体膜透過、単純拡散はめんつゆをイメージしよう。
生体膜透過には、単純拡散などの種類があります。単純拡散はFickの法則により、透過速度は濃度勾配に比例して、膜の厚さに反比例します。またpH分配仮説により分子形が生体膜を透過しやすいです。
特殊輸送、能動輸送はP-糖タンパク質とMichaelis-Menten(ミカエリスメンテン)式をおさえよう。
特殊輸送は能動輸送、促進拡散、膜動輸送などがあります。能動輸送においては、P-糖タンパク質とMichaelis-Menten(ミカエリスメンテン)式をおさえることが重要です。
薬物動態、消失半減期t1/2とグラフの読み方
薬物動態を考える際に、消失半減期、分布容積、全身クリアランス、バイオアベイラビリティなどのパラメーターを使います。消失半減期t1/2は血中濃度が半分になるまでの時間です。
薬物動態、分布容積Vdとグラフの描き方
分布容積Vdは、組織への移行のしやすさを表す指標です。薬物動態では分布容積はDiv=C0・Vdと計算式をあらわすことができます。この式を使って、グラフの描き方を見てみます。
薬物動態、全身クリアランスCLtotとAUC
薬物動態のうち、CLtot(全身クリアランス)は、単位時間あたりの薬を除去した血液の容積をさします。また、AUC(血中薬物濃度時間曲線下面積)は濃度の合計をさし、CLtot(全身クリアランス)との関係式があります。
薬物動態、腎クリアランスCLrの計算式
全身クリアランスは腎クリアランスを用いて、CLtot=CLr+CLhとあらわすことができます。また腎クリアランスはCLr・Cp=U・VやCLr=(GFR・fp+分泌クリアランス)(1-R)とあらわすことができます。
薬物動態、腎排泄と尿中排泄率Ae
薬物動態の尿中排泄率Aeを使うことで、肝代謝か腎排泄かを判断する手掛かりとなります。尿中排泄率Aeを用いて、クリアランスを表すとCLr=CLtot・Aeが成り立ちます。
薬物動態、肝クリアランスCLhと肝抽出率Eh
薬物動態のうち、肝臓を1回通過した時の薬物濃度の減少率を肝抽出率Ehと言います。また肝クリアランスCLhを用いて、肝抽出率を表すと、CLh=Eh・Qhとなります。
薬物動態、量的バイオアベイラビリティと絶対的バイオアベイラビリティ
薬物動態のうち経口投与した後、どれくらい利用されるかの割合をバイオアベイラビリティと言います。計算式では、絶対的バイオアベイラビリティ(F)=(AUCpo/Dpo)/(AUCiv/Div)が成り立ちます。
薬物動態、点滴静注と定常状態
点滴静注を続けると4〜5半減期くらいで定常状態に達します。早く定常状態にもっていくために、点滴静注と負荷量(loading dose)を併用することがあります。
薬物動態、モーメント解析法とMRT
薬物動態のうち、モデルに基づかない解析法にモーメント解析法があります。モーメント解析法ではAUCやAUMCが使われますが、投与された薬が体に存在する時間MRTなども使います。

 
HOME プロフィール お問い合わせ