薬の排泄は糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収などにより行われる。

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薬の排泄は糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収より行われる。

前回の薬の代謝、CYPの阻害と誘導では、水溶性を高めることで排泄の準備をするという話をしました。今回はついに排泄です。排泄には胆汁中排泄などもありますが、メインは腎(尿中)排泄となります。

 

 

まず腎臓について簡単に確認しましょう。

 

腎臓

腎臓はネフロンと呼ばれる構成単位からなります。ネフロンは腎小体尿細管からなります。

 

さらに腎小体は糸球体とボーマン嚢からなり、尿細管は近位尿細管とヘンレ係蹄と遠位尿細管からなります。

 

 

薬の排泄を考えるときに、これらの構造に起こることで大きく3つのポイントがあります。

 

  • 糸球体ろ過
  • 尿細管分泌
  • 尿細管再吸収

 

 

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糸球体ろ過

インスタントコーヒーを作るときにフィルターを通して抽出するように、尿も糸球体でろ過を受けて作られます。その時の速度を糸球体ろ過速度(GFR)と言いますが、一般的には100ml/min前後と言われています。

 

コーヒーを作るときに粒の大きい豆はフィルターに残りますが、粒がとても小さいとフィルターをすり抜けてしまいます。糸球体でも同じことが起こります。つまり、低分子の薬であれば糸球体をすり抜けますが、タンパク質にくっついているような薬はすり抜けにくいです。

 

また糸球体は、シアル酸が多く存在していて、マイナスの電気を持っています。そのため、マイナスのイオンを持つ薬は反発されて通しにくくなっています。逆にプラスのイオンを持つ薬は引き合うため通しやすい特徴があります。

 

 

糸球体ろ過のみ受けるものとして有名なものにクレアチニンイヌリンがあります。これらは、血漿タンパク質とは結合せず、尿細管分泌や尿細管再吸収もほぼ受けません。つまり、これらが腎臓でどれくらい取り除かれるかがわかれば、腎臓がどれだけ正常に働いているかがわかることになります。この腎臓でキレイにされることを腎クリアランスと呼びます。

 

現場ではクレアチニンの腎クリアランスがクレアチニンクリアランスと呼ばれ、腎機能の指標とされます。

 

尿細管分泌

糸球体でろ過されなかった一部の薬がそのままになってしまうと、永遠に排泄されなくなってしまいます。そこで次に出てくるのが尿細管分泌です。糸球体ろ過はコーヒーフィルターのように大きな力はいりませんでしたが、尿細管分泌は担体と呼ばれるポンプのようなものを使って能動的に行われます。代表的な担体と輸送される薬には以下のようなものがあります。

 

  • 有機アニオン輸送系;酸性薬物(パラアミノ馬尿酸、プロベネシド、ペニシリン、メトトレキサートなど)
  • 有機カチオン輸送系;塩基性薬物(アトロピン、シメチジン、モルヒネなど)
  • P-糖タンパク質;ベラ君たち(キニジン、ジゴキシン、ベラパミルなど)

 

ベラ君たちのゴロは別ページにまとめてあるので参照してください。ここではパラアミノ馬尿酸についてみていきます。

 

パラアミノ場尿酸は腎臓を1回通過すると、有機アニオン輸送系により能動的分泌が起こりほとんどが排泄されます。したがって、パラアミノ馬尿酸の腎クリアランスを測定することで腎血漿流量を求めることができます。パラのPをイメージすると覚えやすいでしょう。ちなみに腎血漿流量は一般的に600ml/min前後です。

 

 

尿細管再吸収

排泄されるものは薬だけとは限りません。グルコースやアミノ酸といった栄養素も排泄されてしまう可能性があります。栄養を無駄にしないためにも再吸収して再び体に戻そうとします。近位尿細管ではグルコースやアミノ酸の能動的再吸収が行われます。それに対して遠位尿細管では薬などが単純拡散により再吸収されます。

 

 

これらの糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収によって薬の排泄が行われていきます。代表的な腎消失型の薬には、バンコマイシン、アミノグリコシド系、リチウム、ジゴキシンなどがあります。

 

胆汁中排泄

今までは腎臓からの排泄についてみてきましたが、最後に胆汁中排泄についても見てみましょう。

 

小腸から吸収された薬は門脈から肝臓に入ります。その後肝臓から一部が胆汁中に排泄されます。胆汁中に排泄された薬は最終的に便として排泄されます。

 

まとめ

  • 基本的な薬の排泄は糸球体ろ過、尿細管分泌、尿細管再吸収より行われる。
  • クレアチニンの腎クリアランスは腎機能の指標となる。

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