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前回の製剤、日本薬局方の軟膏剤やクリーム剤のまとめでは軟膏剤やクリーム剤をまとめました。今回は坐剤について見ていきます。
坐薬は患者さんには、あまりなじみがない剤形となりますが、経口困難でも使うことができ医療従事者にとっては欠かせない剤形です。私の子供が熱でぐったりしてしまった時に、アンヒバ坐剤を使いましたが、やっぱり坐剤もすごいなと思いました。
坐薬はアンヒバなどの解熱薬のように全身作用を目的としたものや、痔などに使われる局所作用を目的としたものがあります。そして、ADMEでやったように坐薬は肝初回通過効果を回避できるのも大きな特徴です。
日本薬局方の坐剤の定義としては、直腸内に適用する体温によって溶融するか、又は水に徐々に溶解若しくは分散することにより有効成分を放出する一定の形状の半固形の製剤となっています。
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有効成分に添加剤を加えて混和したものを、基剤中に溶かして、容器に充填して成形します。前回同様、基剤は以下の3つにわけられます。
油脂性基剤は体温で溶けて、薬が吸収されます。
代表例に、カカオ油やウイテプゾールがあります。
水様性基剤は直腸から出てくる分泌液で溶けて、薬が吸収されます。
代表例に、マクロゴールなどがあります。
乳剤性基剤は前回同様、油中水型(w/o型)、水中油型(o/w型)があります。
油中水型(w/o型)はカカオ油+コレステロール(3%)+グリセリン(50%)、水中油型(o/w型)はカカオ油+レシチン(1%)+水(20%)などが代表例です。
坐剤は製剤均一性試験法に適合します。
製剤均一性試験法とは、個々の製剤の間での有効成分含有量の均一性を調べるための試験法を言います。簡単に言うと、薬の有効成分がちゃんと入っているよねと調べる試験です。
製剤均一性試験法には、含量均一性試験と質量偏差試験の2つの方法があります。
どちらの試験方法も試料を30個とり、初めに10個試験します。そこで問題が無ければ適合としますが、問題があるようなら残りの20個を再試験して再度判定します。
密閉容器を用います。