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服薬指導中に患者に併用薬を聞くと、意外と湿疹やかゆみに使われるOTCを使っていることが多く、それだけ多くの患者にとって悩みの種となっています。今回は湿疹やかゆみに使われるOTCの成分について見ていきます。
まずはじめに皮膚の構造について見ていきます。
皮膚は表皮、真皮、皮下組織の3層からなります。
表皮の一番外側の角質層にはセラミドがあり、異物の侵入を防いだり、水分の蒸発を防いだりする働きをしています。
真皮にはコラーゲンなどが存在し、肌の張りや弾力を保っています。また真皮には神経終末、皮脂腺、血管なども存在します。
皮下組織は、皮下脂肪があり、外部の衝撃を和らげるクッションの働きをしています。
これらの構造がありますが、乾燥肌やアレルギー体質などによって皮膚のバリア機能が低下します。そうすると、外部からの異物は簡単にバリア機能を通過してしまい、湿疹が起こってしまいます。その他にも知覚神経が刺激されてかゆみが生じます。これらの症状が起こる疾患には、以下のようなものがあります。
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アトピー性皮膚炎はOTCでセルフメディケーションできないので注意しましょう。
症状がかゆみのみで、炎症がほぼ見られなければ、抗ヒスタミン薬を選びます。
かゆみ以外にも赤みや腫れが伴う場合は、炎症が軽めならNSAIDsを、炎症が強めならステロイドを選びます。
さらに患部が乾燥している場合ではどの剤形でもよいですが、湿潤している場合はクリームやローションより、刺激性の少ない軟膏の方が適しています。
患部に対しては、ステロイドやNSAIDsを選びます。掻かずにいられないような、ひどいかゆみの場合には抗ヒスタミン薬の内服薬も選択します。
かゆみが軽い場合には抗ヒスタミン薬の外用薬、かゆみが強ければ内服薬を選びます。掻き傷によって湿疹が出た場合にはステロイド外用薬を使います。
蚊やノミなどによる虫刺されで、かゆだけなど軽度の場合は、基本的に抗ヒスタミン薬を含有する外用薬を選びます。
毛虫やムカデ、クラゲなどに刺されて赤く腫れたり、かゆみのぶり返しの場合にはステロイドを含有する外用薬を選びます。
かゆみを抑える抗ヒスタミン薬や局所麻酔薬を含有する外用薬を選びます。紅色汗疹のようにかゆみや炎症を伴っている場合には酸化亜鉛などの収れん薬が有効です。
バリア機能が低下した皮膚を保護するために、尿素やワセリンを含んだ外用薬を選びます。湿疹やかゆみがひどい場合にはステロイドを含有する外用薬を選びます。