運動器の構造と傷害

運動器の構造と傷害

運動器の組織に強い外力が加わることによって外傷がおこります。外傷の治療の原則は十分な修復期間を確保することです。運動機傷害の診断名は、損傷した組織の名称とそこに生じた病態を組み合わせます。

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運動器の構造と傷害

アスリートにはケガがつきものです。今回は運動器(骨・軟骨・靭帯・筋・腱・神経)の構造と傷害についてみていきたいと思います。

 

 

運動器を構成する組織と外傷

人の体は、それぞれの役割を持った器官からなります。人の体を動かす役割を持つ運動器を構成する組織としては、軟骨、靭帯、、腱、神経があり、これらの組織は基質と呼ばれるタンパク質から作られ、基質はそれぞれの細胞から産生されます。

 

運動器の組織に強い外力が加わることによって、組織が損傷したことを外傷と呼びます。損傷した部位ごとに、骨折、軟骨損傷、靭帯損傷、筋損傷、腱断裂、神経損傷が生じます。生じた損傷は細胞によって産生された基質によって修復されて治癒していきます。この修復までに必要な期間は組織や部位によって異なり、治療の原則は十分な修復期間を確保することです。

 

 

スポーツ活動や労働などで組織に修復を上回る負荷が加わり続けると組織の修復は正常に行われず、適切に修復されなかった組織は変性し増生した神経への刺激によって疼痛を生じます。このようにして各組織に障害が発生してしまいます。

 

また繰り返す負荷によって変性してしまって、物理的強度が低下してしまった運動器の組織に外力が加わることで、通常よりも小さい外力によって外傷が生じてしまうことがあります。このような受傷メカニズムのことをAcute on Chronicと呼びます。

 

大きな外力によって組織が破綻してしまった外傷の例として以下のようなものがあります。

  • 前腕骨が折れてしまった;受傷直後には局所をシーネで固定して頭痛を減らし二次損傷を防ぎます。もし、シーネのような外固定によって解剖学的な整復位が保てない場合には手術を行って内固定を行うことになります。
  • 頭の頭頂部に大きな外力が作用して頸椎が骨折を起こした;頸椎には脊髄が通っているので脊髄損傷を生じる危険性があります。そのため、頸椎損傷が疑われる際には頭部と体幹を固定した搬送が求められます。
  • 指にボールが当たって指の関節が脱臼してしまった;関節が脱臼した場合には関節周囲の人体や関節包に損傷が生じていますので、整復した後にも適切な固定が必要となります。また、固定後には可動域を獲得するためのリハビリテーションが必要となります。

 

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傷害の診断の考え方

一度の外力による外傷と繰り返しの負荷による障害を合わせて傷害と呼びます。運動機傷害の診断名は、損傷した組織の名称とそこに生じた病態を組み合わせて付けられます。

 

例えばバスケットボールの着地で膝をひねって、膝の靭帯に一度の大きな外力が作用して前十字靭帯が切れてしまった場合は、膝前十字靭帯損傷と診断名が付けられます。2つ目の例として、走りすぎによってアキレス腱に牽引力が加わり続け、炎症を起こして痛みが出ている状態に対してはアキレス腱炎と診断名がつきます。

 

まとめ

  • 外傷の治療の原則は十分な修復期間を確保すること
  • 運動機傷害の診断名は、損傷した組織の名称とそこに生じた病態を組み合わせる

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