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前回の薬物動態、抗菌薬のPK/PD、時間依存と濃度依存では、抗生剤適正使用の話を軽くしました。抗生剤以外にも、血中濃度を測定して安全かつ有効に使えているかチェックした方が望ましい薬があります。このことを、TDMと呼びます。今回はTDMについて見ていきます。
ちなみにTDMですからね、TDLだとあれになっちゃいますからね、あれに(笑)
TDMはTherapeutic Drug Monitoringの略で、治療薬物モニタリングと訳されます。TDMはすべての薬でやる必要はなく、以下のような代表例があります。
これらの治療域や中毒症状を見ていきましょう。なお、治療域は参考資料などによってまちまちなので、あくまで参考程度にしてください。
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今まで見てきた1-コンパートメントモデルでは、直線のグラフを描くことが多かったと思いますが、一部の薬では線形のグラフとならず非線形となります。その代表例がフェニトインです。
非線形が起こる原因として、代謝酵素の飽和があげられます。はじめは、薬の量に対して、代謝酵素の量が多く、代謝が間に合いますが、薬を増やしていくと、代謝酵素がいっぱいいっぱいとなり、代謝に飽和が起こります。そうすると、血中濃度は急激な上昇を見せ始めます。そのため、適切な管理が必要とされます。
フェノバルビタールはCYP3A4を誘導などがあり、繰り返し投与すると血中濃度が変動する可能性があります。
ジゴキシンは、治療域が狭いため、中毒を起こさないように防止する必要があります。
ジゴキシンのTDMについては別ページ、ジゴシン(ジゴキシン)、血中濃度とジギタリス中毒の復習でもまとめています。
テオフィリンも吸収がよく、喫煙などにより代謝酵素が誘導されたりするため血中濃度が変動する可能性があります。
病院でMRSAが出たと言えば、バンコマイシンを処方する医師が多いです。腎障害を起こさないように気をつける必要があります。
バンコマイシンのTDMについても、別ページ塩酸バンコマイシン点滴静注用(バンコマイシン塩酸塩)、抗MRSA薬の違いでまとめています。
テイコプラニンもバンコマイシン同様、MRSAなどで出されることがあります。
炭酸リチウムというより、リチウム中毒防止の観点から血清リチウムのトラフ値をモニタリングします。