リフレックス(ミルタザピン)、進行がん患者の抑うつに使いやすい

リフレックス(ミルタザピン)、進行がん患者の抑うつに使いやすい

リフレックス(ミルタザピン)α2受容体を遮断して、ノルアドレナリンの遊離を促進、5-HT1A受容体を刺激します。進行がん患者の抑うつにリフレックス(ミルタザピン)は安全性や効果の面から使いやすいです。

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リフレックス(ミルタザピン)、進行がん患者の抑うつに使いやすい

由来

  • RE(REMISSION;寛解 RECOVERY;回復)+ FLEX(FLEXIBILITY;しなやかさ・柔軟性)より

 

特徴

  • ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ剤(NaSSA)に分類される抗うつ剤 である
  • モノアミン再取り込み阻害作用によらず、ノルアドレナリン神経及びセロトニン神経の活動を高めることで両者の神経伝達を促進する
  • 5-HT2及び5-HT3受容体に対する阻害作用により、5-HT1A受容体への刺激を選択的に増強させる

 

 

リフレックス(ミルタザピン)の作用機序はNaSSA(noradrenergic and specific serotonergic antidepressan)に分類される。複雑な作用機序でα2受容体を遮断して、ノルアドレナリンの遊離を促進、5-HT1A受容体を刺激する。

 

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用法用量

  • 成人には1日15mgを初期用量とし、15〜30mgを1日1回就寝前に経口投与する。なお1日45mgを超えない範囲で適宜増減するが、増量は1週間以上の間隔をあけて1日用量として15mgずつ行う。

 

重大な副作用

  • セロトニン症候群、無顆粒球症、好中球減少症、痙攣、肝機能障害、黄疸、 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、QT延長、心室頻拍

 

経験したこと

リフレックス(ミルタザピン)に関連して進行がん患者の抑うつについてまとめておく。

 

かつては、ソラナックス(アルプラゾラム)が使われていたが呼吸抑制や依存形成の問題から今はあまり推奨されていない。そこで、安全性や効果の面から試験が行われて以下のような報告がなされている。

 

 

効果や安全性の面から、リフレックス(ミルタザピン)、イフェクサー(ベンラファキシン)、レクサプロ(エスシタロプラム)、ジェイゾロフト(セルトラリン)などが良く、パキシル(パロキセチン)、サインバルタ(デュロキセチン)、ルボックスやデプロメール(フルボキサミン)はあまり適さない。

 

リフレックス(ミルタザピン)、イフェクサー(ベンラファキシン)、レクサプロ(エスシタロプラム)、ジェイゾロフト(セルトラリン)などが良いわけだが、がん患者では吐き気や相互作用が少ないものの方が良いため、リフレックス(ミルタザピン)が使いやすい。その他ドグマチール(スルピリド)なども使いやすい。

 

進行がん患者では疼痛コントロールのためにNSAIDsが使われることがあるが、パキシル(パロキセチン)、ジェイゾロフト(セルトラリン)、レクサプロ(エスシタロプラム)、ルボックスやデプロメール(フルボキサミン)などのSSRIと併用することで出血リスクが高まるという報告がされており注意が必要である。

 

またNSAIDsの他にもトラマール(トラマドール)が使われることがある。トラマール(トラマドール)はCYP2D6に代謝されて活性代謝物M1がμ受容体を介して鎮痛効果を発揮する。パキシル(パロキセチン)、サインバルタ(デュロキセチン)、レクサプロ(エスシタロプラム)などはCYP2D6を阻害するためトラマール(トラマドール)の代謝に影響を与える可能性がある。

 

以上の相互作用などの観点からもリフレックス(ミルタザピン)は進行がん患者の抑うつに使いやすい。

 

まとめ

  • リフレックス(ミルタザピン)α2受容体を遮断して、ノルアドレナリンの遊離を促進、5-HT1A受容体を刺激する
  • 進行がん患者の抑うつにリフレックス(ミルタザピン)は安全性や効果の面から使いやすい

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