リーマス(炭酸リチウム)、双極性障害とリチウム中毒のまとめ

リーマス(炭酸リチウム)、双極性障害とリチウム中毒のまとめ

リーマス(炭酸リチウム)の有効血中濃度は0.3〜1.2mEq/Lであり、トラフ値で評価する。リチウム中毒になる併用薬の原因としてはNSAIDsなどがあるため注意が必要である。

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リーマス(炭酸リチウム)、双極性障害とリチウム中毒のまとめ

由来

  • LIthium MAnic depressive psychosiS(リチウム、双極性障害)よりLIMAS

 

リチウムくらいは引っ張ってこられそう

 

特徴

  • 中枢神経系におけるノルアドレナリン作動系、ドパミン作動系、セロトニン作動系において、多くの作用が複合的に関連して作用するものと推測され、自発運動抑制作用(マウス)、興奮性薬物に対する拮抗作用(マウス)、条件回避反 応抑制作用(ラット)、闘争行動抑制作用(マウス)が報告されている
  • 過量投与による中毒を起こすことがあるので、投与初期又は用量を増量したときには維持量が決まるまでは血清リチウム濃度を測定する。血清リチウム濃度を上昇させる要因(食事及び水分摂取量不足、 脱水を起こしやすい状態、非ステロイド性消炎鎮痛剤等の血中濃度上昇を起こす可能性がある薬剤の併用等)や中毒の初期症状が認められる場合には、血清リチウム濃度を測定する

 

リーマス(炭酸リチウム)は気分安定薬として使われるが作用機序は詳細はわかっておらず、複合的に作用すると考えらえている。

 

 

リチウム濃度については用法用量で

 

用法用量

  • 成人では通常1日400〜600mgより開始し、1日2〜3回に分割経口投与する。以後3日ないし1週間毎に、1日通常1200mgまでの治療量に漸増する。 改善がみられたならば症状を観察しながら、維持量1日通常200〜800mgの1〜3回分割経口投与に漸減する。 適宜増減

 

リーマス(炭酸リチウム)の有効血中濃度は0.3〜1.2mEq/Lである。投与初期や増量した時など維持量が定まるまでは1週間に1回、維持量の投与中は2〜3か月に1回に測定してトラフ値で評価する。

 

なお血中リチウム濃度に応じて以下の症状などが出てくる

 

  • 1.5mEq/L〜2.0mEq/L;振戦や下痢嘔吐など。
  • 2mEq/L以上;見当識障害やけいれんなど命に係わる。

 

そのため落ち着くまで減量や休薬となる。

 

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重大な副作用

  • リチウム中毒、悪性症候群(Syndrome malin)、洞不全症候群、高度徐脈、腎性尿崩 症、急性腎障害、間質性腎炎、ネフローゼ症候群、甲状腺機能低下症、甲状腺炎、副甲状腺機能亢進症、 認知症様症状、意識障害

 

経験したこと

リーマス(炭酸リチウム)に関連して、双極性障害についてまとめておく。

 

双極性障害は躁病相と、うつ病相などの気分の波を繰り返し、自己でコントロールするのが困難となる疾患である。双極性障害では様々な症状があるが以下のようなものがある。

 

  • 気分が異常かつ持続的に高揚して、開放的になったり怒りやすくなったりする
  • 能力を過大評価して実現不可能なことをしようとする
  • 眠らなくても行動する
  • いつもより多弁となる
  • 考えが次々に浮かんで、関連性のない話題を続ける
  • 注意散漫となる
  • じっとしていられなくなる
  • 周りを困らせるようなことに熱中してしまう

 

双極性障害の薬物治療には以下のようなものが使われる

 

  • 気分安定薬;軽度の躁状態に用いられる。リーマス(炭酸リチウム)、デパケン(バルプロ酸)、テグレトール(カルバマゼピン)、ラミクタール(ラモトリギン)
  • 第二世代抗精神病薬;中等度以上に対しては気分安定薬に加えて併用されやすい。ラツーダ(ルラシドン)、ジプレキサ(オランザピン)、ビプレッソ(クエチアピン)、エビリファイ(アリピプラゾール)

 

双極性障害の躁病相に適応があるのか、うつ病相に適応があるのかで変わってくるため注意が必要である。そして気分安定薬のうちリーマス(炭酸リチウム)、デパケン(バルプロ酸)、テグレトール(カルバマゼピン)などは副作用回避をするために血中濃度測定が重要となってくる。

 

リチウム中毒にさせないためにも、薬剤師としては特徴の項目にもあるNSAIDsの併用には注意したいところである。(NSAIDsはプロスタグランジンの合成を抑えて腎の水分や電解質の代謝に影響を与えてリチウム濃度が上がる)

 

まとめ

  • リーマス(炭酸リチウム)はリチウム中毒になるおそれがあるので、血中濃度の測定を行いモニタリングする。リチウム濃度を上げるものにNSAIDsなどがある。

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