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現在、健康に関心を持つ人が多くなってきていることや、テレビや雑誌などで多くの健康食品やサプリメントを取り上げる機会が増えています。そのため、患者さんがサプリメントや健康食品を服用している可能性があり、薬剤師は相談を受けることがあります。このカテゴリーでは、健康食品やサプリメントを見ていきます。
今回はそのうちビタミンAについて見ていきます。ビタミンの総論については、別ページビタミンの作用と欠乏症、過剰症でもまとめているので参考にしてください。
最初に発見された脂溶性ビタミンはビタミンAで、動物の肝臓に多く含まれています。ビタミンAは視覚機能や細胞増殖に関わる働きを持っています。
ビタミンAには動物性由来と植物性由来の二種類があります。
動物性由来のものは約90%が体内へ吸収されると言われています。
プロビタミンAは体内に吸収された後、ビタミンAに変化します。プロビタミンAは必要量だけビタミンAに代わるため、過剰摂取の心配は少ないとされています。植物性由来のものは約16%が吸収され、その後約50%がレチノールに変換されるため、摂取量の約8%が作用すると考えられています。
ビタミンAの働きには以下のようなものがあります。
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ビタミンAは眼において網膜で光を感じる視覚色素であるロドプシンの生成に関わります。ビタミンAが不足するとロドプシンを作ることが難しくなります。明るい場所から、急に暗い場所に入った時に、最初は見えないかと思いますが、次第に目が慣れて暗闇でもある程度見えてくるかと思います。これを暗順応と呼びますが、ビタミンAが不足するとロドプシンが作られなくなるので、暗順応がしにくくなります。さらに進行すると夜盲症へとなっていきます。
ビタミンAは各種粘膜組織の増殖や分化に関わるため、以下のような影響を与える可能性があります。
活性酸素は酸化させる作用が強く、細胞を酸化させます。細胞やDNAが酸化されると、老化やがんなどの原因となる可能性があります。活性酸素は酸素を吸えば生じ、普通に生活しているだけでも産生されます。
ビタミンAは活性酸素を消去する作用があります。
ビタミンAは過剰摂取すると肝臓に蓄積し、身体に有害性を示すことがあります。
このほかにも小児では頭蓋内や骨格に異常をきたしたり、妊婦では胎児に奇形を起こす可能性が高くなると言われています。
ビタミンAは動物性でも植物性でも摂取できますが、先ほど説明したように植物性は必要量がビタミンAに変換されるため過剰症をおこしにくいです。よって緑黄色野菜を積極的にとることが推奨されます。
β-カロテンは、油と一緒に調理をすると効率よく吸収できると言われているため、野菜サラダにはドレッシングやマヨネーズをかけたり、ほうれんそうやにんじんは油炒めにすると効率的に吸収することができます。
ビタミンAと相互作用を起こす代表的な薬には以下のようなものがあります。