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いくら効く薬ができたとしても、それが患部に届かなければ意味がありません。極端な話、脳に効かせたいのに足に効いてしまっては意味がないわけです。意味がないだけでなく、足に副作用が起こる可能性も出てくるわけです。そのため、薬を目的の部位に届けることはとても大事な技術です。今回は薬のターゲティングについて見ていきます。

薬のターゲティングは大きく2種類あります。
薬のターゲティングを実現するにはキャリアーが重要な働きをします。
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荷物を運ぶには一般的にトラックの荷台などに乗っけて持っていきます。薬も同じです。薬を運ぶトラックのような働きをするものをキャリアーと呼びます。

キャリアーの代表例には、以下のようなものがあります。
水中で大豆油を卵胞レシチンで乳化したo/w型エマルション製剤をリピッドマイクロスフェアと言います。このリピッドマイクロスフェアは、動脈硬化病変部位や炎症部位に届けられやすい特徴を持ちます。

そのためリピッドマイクロスフェアの中に脂溶性薬物を入れることで、これが動脈硬化病変部位や炎症部位に届けられます。リピッドマイクロスフェアを利用した薬の代表例にはロピオンなどがあります。
リン脂質の二重膜構造からなる小胞体のことをリポソームと呼びます。リン脂質からなるため、親水基が集まった水層と、親油基が集まった油層と二つの層を持ちます。そのため、リポソームは水溶性薬物でも脂溶性薬物でも入れることが可能です。

水様性薬物も脂溶性薬物もどちらも入れられるなんて夢のように思えますが、リポソームには欠点があります。それは肝臓や脾臓で貪食されやすいということです。貪食されてしまっては目的の部位に届く前に壊されてしまいます。その欠点を補うために開発されたのがPEGリポソームです。

PEGとはポリエチレングリコールの略であり、これをリポソームにつけることで貪食されにくくなります。つまりリポソームを守る鎧のような感じですね。PEGリポソームとなることで、貪食を防ぐだけでなくEPR効果によってがん組織に薬が集まりやすくなります。そのため、PEGリポソームを利用した薬の代表例にはアドリアシンなどがあります。