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前回の製剤、輸液の電解質の単位mEq/Lとは?計算方法は?では、mEq/Lについて確認しました。今回は、浸透圧の計算について確認していきます。
浸透圧を表す単位は、Osm(オスモル)です。mEq/Lの時と同じように、Osmも1Lの溶液中で考えるため、1/1000のmOsm/L(ミリオスモル)が一般的に使われます。
mOsm/Lは、1L中に溶けている分子やイオンの数によって決まります。例えば、NaClの場合
NaCl→Na++Cl-(見にくくてすいません)と解離します。そのため、NaCl58.5gを1Lの溶液に溶かすと、1mol/LのNa+と、1mol/LのCl-ができます。つまり合計して2mol/L分できます。
それに対して、ブドウ糖の場合を考えてみると、ブドウ糖はイオンになりません。そのため、ブドウ糖180gを1Lの溶液に溶かすと、1mol/Lしかなりません。
浸透圧(mOsm)=mmol×分子またはイオンの数で表されるため、
となります。
続いて例題を見てみましょう。
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ブドウ糖2gを生理食塩水200mlに溶かしたときの溶液の浸透圧は何mOsm/Lか?ただし、NaClの分子量を58.5、ブドウ糖の分子量を180とする。
方針としては、生理食塩水とブドウ糖の浸透圧をそれぞれ出して、合計することで求められます。
まず生理食塩水の濃度を知っていないといけません。生理食塩水の濃度は0.9%です。そのため200ml中には、NaCl1.8gを含みます。そのため、0.03molとなります。
これが200mlに溶けているわけですから、0.154mol/Lとなります。これをミリに換算すると、154mmol/Lとなります。
先ほども確認したように、NaClはNa+とCl-に解離し、浸透圧(mOsm)=mmol×分子またはイオンの数であるため、154mmol/L×2=308mOsm/Lとなります。
ブドウ糖は分子量180であるため、1gだと0.011molとなります。
これが200mlに溶けているため、0.056mol/Lとなります。これをミリに換算すると、56mmol/Lとなります。
ブドウ糖は解離しないため、そのまま56mOsm/Lとなります。
よって生理食塩水308mOsm/Lと足して、364mOsm/Lが答えとなります。