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前回の製剤、粘弾性とニュートン流動では、ニュートン流動の基礎について見ました。今回はニュートン流動に関わる様々な性質について見ていきましょう。
まずは、ニュートン流動や非ニュートン流動がどのようなグラフを描くかです。
ニュートン流動はS=η・Dが成り立つのでしたね。ニュートン流動におけるグラフは、縦軸がD、横軸がSとなるため、D=S/ηと式を変形します。そうすると、傾きが1/ηの直線のグラフが描けます。
ニュートン流動をするものには、水やエタノールがあります。
非ニュートン流動はニュートン流動にしたがわないので、先ほどのようにまっすぐな直線にはなりません。
非ニュートン流動はさらに細かく分かれ、以下のようなものがあります。
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塑性(ビンガム)流動は、Sが小さいうちはDが上がりにくいですが、ある一定のSを超えてくると直線のグラフを描くようになります。この境目を降伏値と呼びます。
塑性(ビンガム)流動をするものには、軟膏やチンク油があります。覚えるゴロとしては、
物語を詳細に書くと、グーグル先生に怒られてしまうので書けません(笑)関西弁の女の子に言われているのをイメージしてくださいとしか言えません(笑)
準(擬)粘性流動は二次関数のような曲線を描きます。つまり、Sが小さい間は粘度が大きいですが、Sが大きくなると粘度が小さくなります。
準(擬)粘性流動をするものには、1%メチルセルロース、1%カルメロースナトリウムなどがあります。ポイントは1%の溶液ということです。
準(擬)塑性流動も降伏値を持ち、降伏値を超えると準(擬)粘性流動と同じ曲線を描きます。
準(擬)塑性流動をするものには、2〜3%メチルセルロース、2〜3%カルメロースナトリウムなどがあります。ポイントは2〜3%の溶液ということです。
今までの流動は、粘度が一定であったり、小さくなったりするものでしたが、ダイラタント流動(ダイラタンシー)は逆で、粘度が大きくなります。これはたまにテレビの実験とかでやっている、溶液の上で高速もも上げすれば、溶液の中に足が沈まないやつです。
ダイラタント流動(ダイラタンシー)をするものには、高濃度デンプンなどがあります。
先ほどの非ニュートン流動の一部は、Sが増えると粘度が小さくなりました。その後しばらく放置すると緩やかにもとの粘度に戻ることがあります。この現象をチキソトロピーと言います。
チキソトロピーは、溶質分子の網目構造が破壊された後、再び網目構造に戻るまでに時間がかかるために起こります。
粘度を測る機械には、以下のようなものがあります。
国家試験的には、カタカナつながりで覚えましょう。「ニュートン」流動は、「ウベローデ」型粘度計と「オストワルド」型粘度計です。これを抑えておけば、回転粘度計は消去法でいけます。