
Sponsored Link
前回の製剤、溶解速度とNoyes-Whitney式(ノイエス-ホイットニー式)では、濃度変化から溶解速度を求めるNoyes-Whitney式(ノイエス-ホイットニー式)を学びました。今回はそれに関連するもう一つの式であるHixson-Crowell(ヒクソン-クロウェル式)について見ていきます。
Noyes-Whitney式(ノイエス-ホイットニー式)の中に、みかけの溶解速度定数Kがありました。そのみかけの溶解速度定数Kを質量変化によって求める式がHixson-Crowell(ヒクソン-クロウェル式)になります。
Noyes-Whitney式(ノイエス-ホイットニー式)は薬の表面積を一定として作られた式なのに対して、Hixson-Crowell(ヒクソン-クロウェル式)は薬の表面積の減少を考慮して作られた式になります。そのため、粒子径が一定の球状粒子が球形を保って溶解することや、前回のシンク条件であることなどが仮定されています。
W0を固体粒子の初期質量、Wを時間tにおける固体粒子の質量、Kをみかけの溶解速度定数とすると、以下のような式になります。私のパソコンスキルが無く、三乗根を直打ちできないので図で書きます(笑)
では、計算問題の例題を見てみましょう。
Sponsored Link
Sponsored Link
ある薬1gの溶解性を調べたところ、試験開始から2分後に27.1%が溶解し、みかけの溶解速度定数が0.05となった。試験開始から6分後にはこの薬の何%が溶解することが予想されるか?なおこの薬は同一粒子径の球形粒子からなり、シンク条件、粒子が球形を保ちながら溶解して、Hixson-Crowell(ヒクソン-クロウェル式)が成り立つものとする。
問題文にあるのでわかってしまいますが、Hixson-Crowell(ヒクソン-クロウェル式)を使うことをイメージします。式を見てみると、6分後の質量であるWが出せそうです。
そこでHixson-Crowell(ヒクソン-クロウェル式)に、W0=1g、K=0.05、t=6を代入します。そうすると6分後のW=0.343g(0.7×0.7×0.7)となります。
問題文より6分後に何%溶けているかを聞かれているわけですから、最初の1gから引き算しなければなりません。1-0.343=0.657gが溶けた量となるため、65.7%が溶けたことになります。これが答えです。