![アンギオテンシン、ブラジキニンの作用](../img/header.jpg)
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前回のセロトニンはトリプトファン、ヒスタミンはヒスチジンから作られるでは生理活性アミンについてみました。今回は生理活性ペプチドについて見ていきます。
生理活性ペプチドには以下のようなものがあります。
生理活性ペプチドのアンギオテンシンUはレニンなどの働きで作られます。心不全などにより血液量が低下すると、腎血流量も低下します。そうすると、その刺激が腎の傍糸球体細胞に伝わり、レニンと呼ばれる物質が出てきます。また血流量低下により交感神経機能を高めて血圧を維持しようとします。腎臓のβ1受容体が刺激されることでもレニンは分泌されます。
出てきたレニンによって、アンギオテンシノーゲンはアンギオテンシンTとなります。アンギオテンシンTはアンギオテンシン変換酵素(angiotensin converting enzyme;ACE)によってアンギオテンシンUに変換されます。
アンギオテンシンUは血管平滑筋のアンギオテンシンUAT1受容体に結合して血管収縮させます。その他にも副腎皮質のアンギオテンシンUAT1受容体に結合してアルドステロンを分泌させます。
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生理活性ペプチドのブラジキニンは、前駆タンパク質のキニノーゲンに血漿カリクレインと呼ばれる酵素が働くことなどにより生成されます。ブラジキニンはブラジキニン受容体などを介して、発痛作用や炎症作用、平滑筋収縮作用などを示します。
ブラジキニンは、キニナーゼTやキニナーゼUにより分解されますが、キニナーゼUは先ほどのアンギオテンシン変換酵素(ACE)と同じです。アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)の特徴的な副作用に空咳があります。これはアンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACE-I)によってキニナーゼU(ACE)が阻害されると、ブラジキニンが増えるためと考えられています。
生理活性ペプチドの心房性ナトリウム利尿ペプチドは、その名の通り心房から分泌されます。心房性ナトリウム利尿ペプチドは受容体を介して、利尿作用や血圧下降作用などを示します。