製剤、結晶多形と粉末X線回析法

製剤、結晶多形と粉末X線回析法

同じ化学物質だが、結晶構造が異なるものを結晶多形といいます。結晶多形の測定方法には、粉末X線回析法があります。粉末X線回析法は、回析されるX線が結晶固有の値であることを利用しています。

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製剤、結晶多形と粉末X線回析法

薬の素となる化合物には、同じ化合物なのに配列が違うことによって、溶解性、安定性、吸湿性などが異なる場合があります。このようなものを結晶多形と言います。今回は結晶多形について見ていきます。

 

 

結晶多形

結晶多形は大きく2つにわけられます。

 

  • 安定形結晶;融点が高い。溶解度が小さい。
  • 準安定形結晶;融点が低い。溶解度が大きい。

 

 

安定形結晶は、文字通り安定しているため、融かすためにエネルギーがいる、つまり融点が高くなります。安定していて、溶かしにくいため溶解度も小さくなります。

 

準安定形は、安定形結晶の逆を考えればいいですね。

 

これらの安定形結晶と準安定形結晶との間では、温度によって転移が起こります。この時の温度を転移温度と言います。

 

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粉末X線回析法

結晶多形を測定する方法の1つが粉末X線回析法になります。

 

粉末X線回析法の概要は結晶にX線を入射すると、X線が回析します。この時回析されるX線は結晶固有の値であるため解析ができます。

 

 

概要を見たところでもう少し細かく見てみましょう。

 

まず結晶は、構成している分子や原子が規則正しく並んでいて、立方体のような構造をしています。これを単位格子と呼びますが、結晶はこの単位格子がたくさん集まって構成されています。

 

 

結晶にX線を入射すると、その一部は結晶の電子を振動させます。振動した電子はX線を放射します。この時のX線はその散乱方向によって波長を強めたり、弱めたりします。

 

この回析方向はブラッグの式で表されます。

 

  • d;結晶格子面の面間隔
  • θ;X線
  • λ;入射するX線の波長
  • n;解析の次数

 

  • 2dsinθ=nλ

 

これは式というよりも図で覚えた方がいいと思います。

 

 

この図で、結晶面の間隔をdとすると、半分の波長の長さは、dcos(90−θ)となります。cos(90−θ)=sinθですから、半分の波長の長さはdsinθとなります。よって、1波長分の長さは2dsinθとなります。

 

例えば、ある薬の粉末X線回析法のグラフは、縦軸を回析強度、横軸を回析角度とすると以下のような感じになります。

 

 

AとBを比べると、回析強度(縦軸)は異なりますが、回析角度(横軸)はほぼ一緒です。そのため、AとBの単位格子の大きさは同じと判断できます。

 

それに対して、Cのグラフはなだらかなグラフとなっています。これは分子配列がランダムとなっていて、規則正しい構造をもっていないため、散乱するX線が弱くなっているために起こります。

 

まとめ

  • 同じ化学物質だが、結晶構造が異なるものを結晶多形という。
  • 結晶多形の測定方法には、粉末X線回析法がある。

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