薬物動態、点滴静注と定常状態

薬物動態、点滴静注と定常状態

点滴静注を続けると4〜5半減期くらいで定常状態に達します。早く定常状態にもっていくために、点滴静注と負荷量(loading dose)を併用することがあります。

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薬物動態、点滴静注と定常状態

前回までの薬物動態のパラメータは静脈内投与の中でも急速静注について見てきました。急速静注以外の投与方法には点滴静注があります。今回は点滴静注について見てみます。

 

 

点滴静注を行っていくと、じわじわと血中濃度が上がっていきますが、その一方で薬の消失も始まっていきます。しかし、そのまま投与を続けることで、ある一定の血中濃度となります。

 

この状態を定常状態と呼びます。定常状態の血中濃度をCss、点滴静注の投与速度をk0とすると、k0=Css・CLtotが成り立ちます。ゴロとして、

 

  • 点滴速度はノートくれ

 

 

  • 点滴速度;点滴静注の投与速度
  • は;=
  • ノート;定常状態の血中濃度
  • くれ;全身クリアランス

 

ゴロの解説をするまでもないですが、「点滴速度は?」と薬剤師Aが聞いたら、「ノートに書き写すから、ノートくれ」と薬剤師Bがやり取りしているシーンなどを思い浮かべてください。

 

定常状態からの消失

定常状態に達した後、点滴静注を中止したとします。そうすると、消失しか起こらなくなるので、だんだんと血中濃度が減っていきます。この時

 

  • 0半減期;100%(定常状態)
  • 1半減期;50%
  • 2半減期;25%
  • 3半減期;12.5%
  • 4半減期;6.25%

 

となり、4半減期になると定常状態から比べるとかなり少ない状態となり、ほぼ消失したと言えるくらいの血中濃度となります。

 

逆を返せば、定常状態となるまでの時間は4〜5半減期はかかることとなります。

 

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負荷量(loading dose)

今話したように、点滴静注で定常状態までにもっていくには4〜5半減期時間がかかってしまいます。患者の状態が落ち着いていて時間的猶予がある場合は、ゆっくり点滴静注していればよいかもしれませんが、生命の危機などのんびりやっていられない場合も現場ではあります。

 

 

そこでなるべく初期から定常状態に持っていくために点滴開始時に急速静注を併用する場合があり、これを負荷量(loadin dose)と呼びます。

 

負荷量=Css・Vdとなります。やっていることは急速静注なので、D0=C0・Vdと同じイメージを持てばいいだけです。

 

では、いつものように例題いきましょう。

 

例題

ある薬を患者に100mg/hで定速静注したところ、以下の曲線が得られた。この患者の分布容積(L)はいくらか?ただし、薬の消失は1-コンパートメントモデルにしたがうものとする。

 

 

分布容積を出す式はいくつかありますが、グラフから半減期などが出せそうだと考えて、kel=CLtot/Vdが使えないかと考えます。そうすると、まだkelやCLtotが出ていないためこれらを求めていくことになります。

 

CLtotを求める

k0=Css・CLtotでした。グラフより定常状態Css=20μg/mL=20mg/mLとわかるため、代入しCLtot=5L/hと求められます。

 

Kelを求める。

t1/2=ln2/kelを使います。グラフよりt1/2=2hです。よってkel=0.3465となります。

 

kel=CLtot/Vdに代入して、答えはVd=14.4です。

 

まとめ

  • 点滴静注を続けると定常状態に達する。
  • 定常状態に達するまでには4〜5半減期時間がかかる。
  • 点滴静注をする時に早く定常状態にもっていくために、負荷量(loading dose)をいれることがある。

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