![獲得免疫とMHC](../img/header.jpg)
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前回の自然免疫とToll様受容体では自然免疫について見ました。今回は獲得免疫についてより細かく見ていきたいと思います。まず獲得免疫の前にMHCについて見ておきます。
MHCはmajor histocompatibility complexの略で、主要組織適合遺伝子複合体と訳されます。臓器移植の時に拒絶反応が起きたなどと聞いたことがあると思いますが、それに関わるのがMHCです。
ヒトのMHCはHLA(human leukocyte antigen;ヒト白血球抗原)と呼ばれますが、MHCは免疫学的な個性を決めるもので、MHCが一致すれば自己、MHCが不一致であれば非自己と認識されます。MHCは以下の2種類があります。
MHCを確認したところで、獲得免疫における抗原提示を見ていきましょう。
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前回の自然免疫で見たように、抗原はマクロファージや樹状細胞などの抗原提示細胞により取り込まれ、処理されMHCクラスUと結合した後にヘルパーT細胞に提示されます。
ヘルパーT細胞のレセプターは抗原提示されたものを認識した後は、マクロファージが産生するインターロイキン-1などによって機能の異なる2種類のヘルパーT細胞に分化します。
キラーT細胞の前駆細胞は、抗原提示細胞表面のMHCクラスT分子に結合した抗原の断片を認識します。
一方で活性化されたTh1はインターロイキン-2(IL-2)やインターフェロンγ(IFN-γ)を作ります。インターロイキン-2(IL-2)はT細胞を増殖させる作用、インターフェロンγ(IFN-γ)はキラーT細胞の誘導を促進させます。
Th2はインターロイキン-4(IL-4)、インターロイキン-5(IL-5)、インターロイキン-6(IL-6)を作ります。これらのインターロイキンはB細胞の増殖や抗体産生細胞への分化を促進します。その結果、抗体が作られ体液性免疫が起こります。