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前回の転写プロモーター、エンハンサー、サイレンサー、エキソン、イントロンなどのまとめでは転写の概要について見ました。今回は翻訳の概要について見ていきたいと思います。
転写で作られたmRNAは核内からリボソームに移されます。リボソームはrRNAとリボソームタンパク質から作られています。復習になりますが、原核生物では、50Sの大サブユニットと30Sの小サブユニットからなり、真核生物では60Sの大サブユニットと40Sの小サブユニットらなります。後でお話ししますが、大サブユニットにはアミノアシルtRNAが、小サブユニットにはmRNAが結合します。
さてmRNAの塩基配列をコドンと呼びます。3つの塩基配列に対して1つのアミノ酸が指定されます。コドンはAGCUの4種類が3つで決まるので、4×4×4=64種類あります。ただしアミノ酸は20種類しかないので、複数個対応するコドンを持っているアミノ酸も存在します。全部覚えるのは不可能なので、国家試験的には1つしかコドンを持たないものを覚えることが重要です。
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中でも翻訳の開始に関わるAUG(メチオニン)は開始コドンと呼ばれ重要です。開始コドンに対して、タンパク質の合成を終えるコドンを終始コドンと呼び、UAA、UAG、UGAの3つがあり、これも重要です。終始コドンの覚え方としては叫び声っぽい響きで覚えましょう。UAA(ウアア〜)、UAG(ウアグ〜)、UGA(ウガ〜)です。AUG(メチオニン)と混同しやすいので、AUG(メチオニン)はしっかり抑えた上で、この叫び声つながりを覚えるようにしましょう。
そしてmRNAのコドンに対応するアンチコドンをtRNAは持ちます。tRNAはアミノアシルtRNA合成酵素によってATPと反応したりすることでアミノアシルtRNAとなります。アミノアシルtRNAによって、アミノ酸がリボソームに運ばれて、ポリペプチド(タンパク質)が作られます。
先ほどもお話ししたように、開始コドンはAUGでメチオニンなので、翻訳により作られるタンパク質のN末端は必ずメチオニンとなります。伸ばされたタンパク質は終始コドンが出てくると合成が終了します。