製剤、表面張力とGibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式

製剤、表面張力とGibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式

分子を安定化させて、中へ進ませようとする力を表面張力といいます。溶質の液表面への吸着量と表面張力の関係を表した式をGibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式といいます。

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製剤、表面張力とGibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式

皆さんは、表面張力と聞くと何を思い浮かべますか?私は、日本酒をなみなみに注ぐと、こぼれそうで、こぼれないシーンを思い浮かべます(笑)今回は表面張力についてまとめていきます。

 

 

まず、表面張力の前に表面について簡単に確認します。

 

表面

物質はおおまかに、気体、液体、固体といった状態をとります。それぞれの状態が一様なものを気相、液相、固相と呼びます。

 

これらの相が接している時の境界線を界面と呼びます。特にその中でも気相と液相、気相と固相は表面と呼ばれます。

 

つまり先ほどの日本酒の例で行くと、日本酒が液相、まわりの空気が液相となり、その境界線が表面となります。

 

表面張力

表面にある分子は不安定で、その過剰なエネルギーを減らして、安定化させようとします。分子を安定化させて、中へ進ませようと働く力が表面張力となります。

 

 

要するに、表面にいる分子が、中に行こう、中に行こうと思って潜り込もうとする力が働くから、日本酒はこぼれないわけです。

 

Gibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式

表面張力は、溶液に溶質を入れると変わってきます。例えば、水に、塩を入れると表面張力が変わってきます。このように、溶質の液表面への吸着量と表面張力の関係を表した式がGibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式と呼ばれるものです。

 

相変わらず、直打ちだと、式が見にくいと思うので、図でGibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式を表します。

 

 

  • Γ(ラージガンマ);単位面積当たりの溶質の吸着量
  • γ;表面張力
  • C;溶質の濃度
  • R;気体定数
  • T;絶対温度
  • dγ/dC;溶質濃度変化による表面張力変化

 

Gibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式で国家試験的に問われるのは、溶質を加えたときに表面張力がどうなって、吸着がどうなるかということです。大きく3つに分類されます。

 

 

ここで、負吸着と正吸着についてです。Γ(ラージガンマ)が、マイナスであれば負吸着、プラスであれば正吸着ということになります。よくわからない人は、物質にとって表面に行くのが「正」しい吸着が正吸着と覚えれば、覚えやすいと思います。

 

どういうことかと言いますと、それぞれの分類を図式化すると、以下のようなイメージになります。

 

 

例えば水分子だけの時の表面張力を5とします。そこにT型はNaClを加えます。そうすると、水をどかして中に入ろうとする力がプラスされ、表面張力は8となりました。

 

続いてU型のアルコールを加えます。そうすると、表面に2つ分子が並び、表面張力は3になりました。

 

最後にV型の界面活性剤を加えると、表面に3つ分子が並び、表面張力は2になりました。

 

U型やV型は表面にいくので「正」しい吸着が起こるから、正吸着になるわけです。

 

これらの分類のGibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式を図で表すと、以下のようになります。

 

 

計算問題というより、これらの図のイメージをしっかりと覚えましょう。

 

まとめ

  • 分子を安定化させて、中へ進ませようとする力を表面張力という。
  • 溶質の液表面への吸着量と表面張力の関係を表した式をGibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式という。
  • Gibbs(ギブズ)の吸着吸着等温式における、それぞれの分類のイメージを図で覚えることが重要。

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