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前回の在宅での薬剤師の役割、3ステップで考えようで、薬効、副作用、体調チェック、フィジカルアセスメントの項目は別ページにまとめるという話をしました。今回はその内容です。
薬物有害作用が増加する原因には、疾患上の要因や機能上の要因、そして社会的要因などがあります。その結果、多剤併用、他科受診、長期服用、誤服薬などが起こり、薬物有害作用のリスクが増えていきます。
薬物有害作用を予防するための原則として以下のようなものがあります。
これらをもとに薬剤師の視点で防いでいくことが重要となっていきます。
医師は診る、看護師は看るとあるように、患者さんをみています。薬剤師は見る、視る、観るなどでしょうか。なんでもいいのですが、とにかくみます。
まず表情、雰囲気などを見て、そしてもう少し状態をじっくりと視ます。さらに歩行、ふるえ、握力などを五感を使って観ていきます。
五感を用いたフィジカルアセスメントには以下のようなものがあります。薬剤師でも様々なタイミングで、色々な異常に気づけるヒントが隠されていることがあります。
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→認知機能の低下、意識障害、錯乱、せん妄、精神障害の原因
→視力、眼の状態、スティーブンスジョンソン症候群
→突発性難聴、中耳炎、薬剤性難聴
→抑うつ、低栄養、異常乾燥
→低栄養、ビタミン不足、狡猾、間質性肺炎
→口腔清潔不足、歯肉肥厚、抗がん剤などの影響、スティーブンスジョンソン症候群
→認知機能の低下、尿便失禁、発汗、セロトニン症候群、脱水
→肺炎、喘息、肺気腫、うっ血性心不全、間質性肺炎
→末梢循環不全、脱水、錐体外路症状(薬剤性パーキンソニズム)、悪性症候群、セロトニン症候群、偽アルドステロン症
→爪白癬、栄養状態
→脳梗塞後遺症や再発、過度の筋弛緩、偽アルドステロン症
→錐体外路症状(薬剤性パーキンソニズム)、横紋筋融解症、偽アルドステロン症、正常圧水頭症、小脳変性
→筋弛緩作用、起立性低血圧
→自立か要介助か、その状態の把握
→加齢による機能低下、錐体外路症状(薬剤性パーキンソニズム)、喉頭筋萎縮
→本態性振戦、錐体外路症状(薬剤性パーキンソニズム)、悪性症候群、セロトニン症候群
これらはQOLに直結してくる要素なので、患者さんにとってはとても重要な項目となります。
→胃炎、胃潰瘍、嚥下障害、口腔乾燥、味覚異常、嘔気、抑うつ
「食欲はありますか?」「おいしく食べられていますか?」「飲み込みづらいことや、むせこむことはありませんか?」などが基本的な質問となります。
そして、可能であれば患者さんが食事をしているシーンを実際に見ることで、より詳細な状況がわかるでしょう。ただし、じっと見続けるのも患者さんにはプレッシャーになってしまうので、遠くから観察したり、お昼ご飯を持参して一緒に食べたりするのがオススメです。
→頻尿、尿閉、便秘、下痢、発汗異常など
排泄は薬の効果や副作用による影響を受けやすいので、それを念頭におきながらアセスメントします。少なくとも回数や時間帯や状態などは確認したいです。
→中途覚醒、入眠障害、興奮、不穏、日中の傾眠、せん妄、幻覚、悪夢など
何時に寝て、何時に起きるか、また夜中何回くらい起きるのかなどを聞くことによって、睡眠薬が、その患者に合っているかどうかがわかります。
→筋弛緩作用、パーキンソニズム、起立性低血圧など
質問だけでなく、視覚的に確認することができるものが多いです。普段の動作や何気ない動作まで、観察することが重要です。
→薬剤性やアルコール性などの認知症
ご本人だけでなく、客観的によくみている家族などにも質問することでより詳細な情報が聞けるでしょう。生活に関わるエピソードなどを聞くと、「あれができた、これはできない」とか「あんなことがあった、こんなことがあった」と教えてもらえると思います。