薬局の小児の在宅の特徴

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薬局における小児の在宅

薬局の在宅では、小児の在宅をやることもあります。その背景として、周産期医療や新生児医療、小児外科・小児心臓外科などの医療技術の進歩があったり、在宅医療技術や保険点数化などの在宅医療の進歩などがあります。

 

 

対象となる小児は、医学的管理下に置かなければ、呼吸をすることも栄養を摂ることも困難な状態なことが多いです。具体的には、呼吸管理はレスピレーター(人工呼吸器)管理、気管内挿管・気管切開(カニューレ設置)などです。栄養管理については、中心静脈栄養、経管・経口全介助などになります。

 

今回は薬局の小児の在宅を確認していきます。

 

小児在宅の特徴

高齢者の在宅と比べた場合以下のような特徴があります。

 

  • 疾患が重複していることは少ない
  • 自分の症状を、自分の言葉で訴えられないときがある(親の言葉がメインとなってくる)
  • 理解できること、表現できること、判断できることも変化し成長していく
  • コンプライアンスは比較的良好
  • ケアマネージャーはいない

 

やはり大きな違いとしては、患者である小児の成長があるということです。成長に応じた対応が求められてきます。

 

 

病院医療と在宅医療のメリットとデメリット

メリットとデメリットに関わってくる要因としては、緊急時の対応、小児の成長、家庭のバランスなどがあります。

 

病院医療のメリット
  • 常時医療従事者がいる
  • 救急セット、モニターなど医療機器装備がある
  • 緊急時のことを考えると家族には安心感がある

 

病院医療のデメリット
  • 医療が中心のため、子供の成長や発達が難しい
  • 忙しさのため機器に頼りがちになり、スキンシップが少ない
  • 親がつきっきりの場合、家庭の時間の確保が難しくなる

 

在宅医療のメリット
  • 両親や兄弟とともに生活ができる
  • 療養や学校など社会への接点が広がる
  • 成長、発達が促進される
  • 隠された個性、能力が開発される
  • 同世代の友達との接点ができる

 

在宅医療のデメリット
  • 家庭により経済的、肉体的、精神的負担がかかる
  • 常時医療従事者がおらず、緊急時の不安感がある

 

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冒頭で小児の在宅では、呼吸器管理をしている場合があるという話をしました。薬剤師はあまり関わることはないですが、呼吸器管理の方法について簡単に確認していきます。

 

在宅酸素療法(HOT;Home Oxygen Therapy)

酸素を鼻カニューレや酸素マスクなどを通して投与する療法です。自宅では酸素濃縮装置や液体酸素装置、外出時には携帯用酸素ボンベを使います。

 

目的
  • 低酸素血症の改善または予防
  • 慢性の低酸素状態によって引き起こされる合併症の防止
  • 呼吸困難の軽減によるQOLに向上、ADLの改善
  • 家庭や社会への復帰
  • 入院回数・日数の減少

 

 

人工呼吸器

小児の在宅では、人工呼吸器で呼吸管理をしている場合もあります。人工呼吸器の種類には以下の2つがあります。

 

  • 侵襲的陽圧換気法(TIPPV;Tracheostomy Intermittent Positive Pressure Ventilation)
  • 非侵襲的陽圧換気法(NIPPV;Non-Invasive Positive Pressure Ventilation)

 

侵襲的陽圧換気法(Tracheostomy Intermittent Positive Pressure Ventilation)

気管切開をしてそこからカニューレをいれる方法です。換気効率がいいですが、手術が必要です。また痰の分泌が増えるため、吸引したり清潔に保つ必要があります。

 

非侵襲的陽圧換気法(NIPPV;Non-Invasive Positive Pressure Ventilation)

先ほどの侵襲的陽圧換気法は、気管切開をして人工気道を作りましたが、非侵襲的陽圧換気法は、非侵襲的なので、マスクを当てて人工呼吸をしていきます。このマスクがうっとうしく感じたり、外しやすいため空気漏れが起こりやすいです。しかし、喀痰排泄ができます。

 

排痰、吸引

人工的なカニューレなどを入れているとどうしても、痰が出てきてしまいます。そのため、排痰や吸引が必要となることがあります。

 

排痰は気管支や肺に貯留している痰を排出して、呼吸状態の軽減や予防が目的です。咳嗽や体位変換、気管吸引などの排痰手技を用います。

 

吸引は気道の閉塞を防ぐことを目的に、上気道に貯留している分泌物を吸引します。排痰によって気道上部に移動させた分泌物を吸引することもあります。口腔内吸引、鼻腔内吸引、気管吸引などの種類があります。

 

薬剤師として関われること

小児の在宅で薬剤師として関われることには以下のようなものがあります。

 

  • 不安や悩みの聞き取り;家族の負担(負担と感じていないことも多い)などを確認し多職種連携していく
  • アレルギーや食事療法の確認;賦形剤などにもアレルギーを起こす可能性あり
  • 適切な剤形;本人や家族の負担を減らせるような剤形選択
  • 学校での薬剤;養護学校などでは、複数名の薬が学校に置いてあることがあり、誰の、何の薬かわかるようにする工夫(印字)などが必要
  • 適応外使用などのデータ収集;小児に対する安全性や有効性などの確認
  • 保管状況;医療機器などが部屋にあるため、あちこちに薬が置いてあることあり
  • ストック;震災時の予備はあるか、また予備の期限は大丈夫か(小児は成長していくので古い薬の用法用量は適切か)
  • 経管栄養の時間、速度、量の確認;速度が速すぎて下痢になったりするケースなど

 

私の経験では、一包化の分包紙に一個一個子供の名前を書いている両親がいました。その両親は印字を知らずに書いていたようで、とても喜ばれたことがあります。他にも薬の整理整頓などの管理をしてあげるととても喜ばれます。家族は、私たちが思っている以上に子供のことに追われているため、おせっかいにならない程度に提案やサポートをしてあげると良いです。

 

子供の成長に合わせて、本人や家族のニーズを聞き取り、行動していくことが重要だと思います。

 

まとめ

  • 薬局における小児の在宅では、呼吸をすることも栄養を摂ることも困難な状態の患者が多い。
  • 子供の成長に合わせて、本人や家族の要望にこたえていくことが重要。
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