アルコールと薬の相互作用は主に中枢神経抑制作用が強まる

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アルコールと薬の相互作用、転倒に注意!!

アルコールは多くの人が摂取している可能性のある嗜好品です。私は普段は飲まず、飲み会などがあれば飲みます。強さとしては、中の上くらいだと自覚しています(笑)

 

 

アルコールの代謝

アルコールは胃からも吸収されますが、吸収が最も多く早いのは十二指腸から空腸です。

 

吸収されたアルコールは肝臓で、アルコール脱水素酵素(ADH;alcohol dehydrogenase)ミクロソーム-エタノール酸化系(MEOS;microsomal ethanol-oxidizing system)アセトアルデヒドとなります。アルコールの代謝は、通常アルコール脱水素酵素がメインになります。しかし、ミクロソーム-エタノール酸化系は、アルコールを飲むことで活動が強まると言われています。これが酒を飲み続けると強くなると言われている所以なのかもしれません。

 

 

生成したアセトアルデヒドはいわゆる二日酔いの症状の原因となるため、さらにアルデヒド脱水素酵素(ALDH;aldehyde dehydrogenase)によって酢酸に代謝されます。アルデヒド脱水素酵素は、1型2型があり、1型はアルデヒドを効率よく分解できますが、2型は効率がよくありません。日本人は約半数くらいしか1型を持っておらず、1型欠損者は同じ量のアルコールを飲んだ時、血中アルデヒド濃度は15倍以上違うと言われています。

 

このような形で代謝されていきますが、アルコールの代謝には個人差が出てきます。

 

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アルコールと薬の相互作用

アルコールによる中枢神経抑制作用などが主な問題となってきます。

 

 

アルコールと相互作用を持つ薬には以下のようなものがあります。

 

  • カロナール(アセトアミノフェン);アルコール常飲によるCYP2E1誘導により肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝促進
  • ベンゾジアゼピン系;アルコールはGABAA受容体に作用すること等により中枢神経抑制を示す
  • 非ベンゾジアゼピン系;中枢神経抑制作用を増強させる
  • フラジール(メトロニダゾール);アルデヒド脱水素酵素を阻害して、血中のアセトアルデヒドの濃度が上昇する
  • セフメタゾン(セフメタゾール);機序不明。ジスルフィラム様作用
  • シアナマイド(シアナミド);嫌酒薬。アルデヒド脱水素酵素を阻害して、アセトアルデヒドを蓄積させる
  • ノックビン(ジスルフィラム);嫌酒薬。アルデヒド脱水素酵素を阻害して、アセトアルデヒドを蓄積させる
  • フェノチアジン系抗精神病薬;中枢神経抑制作用を増強させる
  • ニトロペン(ニトログリセリン);血圧低下が増強されることがある
  • タキソール(パクリタキセル);溶剤として無水エタノールを含有し、中枢神経系への影響やアレルギーの患者には注意
  • タキソテール(ドセタキセル);溶剤として無水エタノールを含有し、中枢神経系への影響やアレルギーの患者には注意
  • ジェブタナ(カバジタキセル);溶剤として無水エタノールを含有し、中枢神経系への影響やアレルギーの患者には注意
  • ザジテン(ケトチフェン);中枢神経抑制作用を増強させる
  • ゼスラン(メキタジン);中枢神経抑制作用を増強させる
  • レミカット(エメダスチン);中枢神経抑制作用を増強させる
  • ヒベルナ(プロメタジン);中枢神経抑制作用を増強させる
  • アタラックス(ヒドロキシジン);中枢神経抑制作用を増強させる
  • ペリアクチン(シプロヘプタジン);中枢神経抑制作用を増強させる
  • テグレトール(カルバマゼピン);中枢神経抑制作用を増強させる
  • 三環系抗うつ薬;中枢神経抑制作用を増強させる
  • 四環系抗うつ薬;中枢神経抑制作用を増強させる

 

私の経験上一番多いのは、ベンゾジアゼピン系とアルコールの組み合わせです。結構この組み合わせをやっている人は多く、特に高齢者は転倒などしないように呼び掛ける必要があります。

 

まとめ

  • アルコールは、アセトアルデヒド、そして酢酸へと代謝されていくが、個人差がある。
  • アルコールと薬を併用することで、主に中枢神経抑制作用が強まるため転倒に気をつける必要がある。

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