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BPSDは介護負担などに負の影響を与える一方、対応の仕方によっては改善できるので対応手順を知っておくことはとても重要です。今回はBPSDについてみていきたいと思います。

認知症患者は予備軍も含めて、毎年増加傾向にあります。年齢ごとに見た場合ずっと右肩上がりに増えるわけではなく、85歳〜89歳でピークを迎えると言われています。これは寿命的な問題もあるからです。
認知症の種類としては、アルツハイマー型認知症が約70%と一番多く、血管性認知症が2番目、レビー小体型認知症が3番目、前頭側頭型認知症が4番目となっており、これらだけで認知症のほとんどを占めることになります。
では、認知症、認知症と世間では言われていますが、認知症とはいったいなんなのでしょうか?
まず認知症と聞くとボケているイメージがあるかと思いますが、認知症は一度成熟した知的機能が脳の障害によって継続的に低下して生活に支障が出た状態を言います。
当たり前ではありますが、寝て起きたらいきなり明日認知症になるわけではなく、その前駆状態があります。それが軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment;MCI)です。MCI(軽度認知障害)は認知症の前駆状態であって軽い認知症ではないということに気を付けなくてはなりません。MCI(軽度認知障害)は日常生活の自立を妨げるほどではありません。つまり、
ということができます。MCI(軽度認知障害)と診断された後に正常加齢に戻ることもあります。これをリバージョンといい、その個人をリバーターと言います。リバート率は平均で26%くらいと言われています。
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ちなみに日常機能の評価には以下のものがあります。
認知症の症状は脳の障害によって起こる中核症状(認知機能障害や運動障害)に加えて、周囲との関係性によって二次的に起こる精神症状、行動障害(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia;BPSD)があります。
冒頭でもお話ししたようにBPSDは介護負担を上げる一方、対応の仕方によって改善が見込めるため対応をしっておく必要があります。対応手順は以下のようになります。

評価方法の代表例にNPI(neuropsychiatric inventory)などがあります。これは、妄想、幻覚、興奮、うつ、不安、多幸(理由もなくヘラヘラしている)、無為(意欲の低下)、脱抑制(本能的に我慢しなくてはならないことが我慢できない)、易刺激性(ささいなことでイライラ)、異常行動、睡眠障害、食行動異常などの項目に対する主質問を行い、それに対して患者が当てはまるかを評価します。
例えば、妄想の項目の主質問でYESであれば、下位質問で深掘りしていき、下位質問の中で最も問題になるものの頻度と重症度を評価します。もし主質問がNOであれば、次の幻覚の項目を同様に主質問していく・・・というのを繰り返します。
ここで評価する時の注意点としては、介護者に質問するということです。考えればわかりますが、認知症患者本人に聞いてもまともな評価ができないからです。
BPSDの原因としては主に4つあります。
これらのどれに近いかを考えて対処するかを考えなくてはなりません。特に心理反応は患者の喪失感(健康が損なわれた、できなくなることが増えてくる)からBPSDが起こります。その代表例に嫉妬妄想があります。
嫉妬妄想は配偶者などが不実を働いているのではないかと確信する妄想を言います。嫉妬妄想は介護者に暴力をふるったりするので、ケアする側としてはとても大変です。嫉妬妄想が起こる要因には以下のようなものがあります。
BPSDは周囲との関係性によって起こるので、介護者教育がメインとなります。ただいきなり、介護者に「あなたのやり方は間違ってますよ」と修正を求めてしまうと介護者に反発されてしまうので、介護者の苦労をねぎらい、時間をかけて教育することが大事です。
BPSDに対して、非定型抗精神病薬をするとプラセボ群と比べて死亡率が高かったという報告があり、なるべく非定型抗精神病薬を使いたくないという流れになっています。しかし、そうは言っても介護者の負担も減らさなくてはいけないという問題もあるため、BPSDの緊急性が高いものに薬物療法を用います。緊急性が高いBPSDには
非定型抗精神病薬が使いにくい中、レキサルティ(ブレクスピプラゾール)がアルツハイマー型認知症に伴う焦燥感、易刺激性、興奮に起因する過活動又は攻撃的言動に適応が追加されたので、今後レキサルティ(ブレクスピプラゾール)がスタンダードになるかもしれません。