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認知症の最初の気づきから受診までに約4年かかると言われていて、その間の治療するチャンスを失ってしまっていると言えます。そのため、いかにMCIの状態で適切なアプローチができるかが重要となります。今回はMCIについてみていきたいと思います。
アルツハイマー型認知症では、β-アミロイドの沈着が関連していると考えられています。β-アミロイドは本来みんな持っているもので、神経の修復などを行ういいやつです。しかし、アルツハイマー型認知症になると一転して神経を傷つける悪いやつになります。
横軸に時間軸、縦軸にバイオマーカーなどの量をとった時に、β-アミロイドはアルツハイマー型認知症が始まる前からたまっていて、MCIの頃にはβ-アミロイドはたまりきっています。β-アミロイドに遅れて、MCIの頃から認知機能が悪くなり始めます。
このようにアルツハイマー型認知症は時間経過をたどります。
ちなみにβ-アミロイドとタウタンパクの違いは以下のようになっています。
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MCIは以下のフローチャートに従い4種類にわけられます。
まず大前提としてMCIの正統とされる診断法やテストがあるわけではありません。
詳細な問診を行い、生活が自立しているかを確認して認知症ではないことを確認します。認知症ではないと確認されたら、個々の認知機能、記憶、言語機能、遂行機能、視空間機能、推論、注意の能力などを検査していきます。その他、MRI(脳の形を評価。脳のやせ、脳梗塞などがわかる)、SPECT(脳の血のめぐりのよさを評価、赤いほど血のめぐりが良い)なども行われたりします。
診断ではないですが、MCIの評価方法の1つにJ-MCIがあります。J-MCIは非専門の人(患者本人、家族、医師以外の医療関係者)誰でも評価できるように作られていて、行動面から評価します。J-MCIは、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症を対象とし、一部の血管性認知症は含まれません。
J-MCIの具体的な13項目には以下のようなものがあります。
これらの項目のうち、7、8はピック病や前頭側頭型認知症などを意識した質問で、12、13はレビー小体型認知症やパーキンソン病を意識した質問です。これら以外はアルツハイマー型認知症を意識した質問となります。