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前回の証、四診、補瀉では証について見てきました。今回は漢方の副作用について見ていきます。漢方薬は副作用が無いと思われがちですが、体に何らかの作用を及ぼす物質を入れるわけですから、期待した薬効だけでなく、不都合な作用も生じる可能性があります。
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副作用で代表的な生薬には以下のようなものがあります。
麻黄に含まれるエフェドリンは、アドレナリン類似の交感神経興奮作用や、中枢興奮作用を持ちます。そのため、不眠、興奮、頻脈、動悸、血圧上昇、発汗過多、排尿障害などが起こります。
よって、狭心症、心筋梗塞、重症高血圧症、不整脈、高度腎障害、甲状腺機能亢進症などの患者さんにエフェドリンが入ると悪化させる可能性があります。
甘草に含まれるグリチルリチンは、尿細管においてカリウム排泄促進作用があります。その結果、血中カリウムが低下して、ミオパシーや偽アルドステロン症を起こす可能性があります。ミオパシーは筋肉が侵され、脱力感や四肢痙攣麻痺などの症状が起こります。偽アルドステロン症では低カリウム血症だけでなく、血圧上昇、浮腫、体重増加などが起こることがあります。

よって、これらの疾患がある患者にグリチルリチンが入ると悪化させる可能性があります。特に甘草は約7割のエキス剤に入っているため複数の漢方薬を併用した場合に甘草の総量が増えて副作用が起こりやすくなるため注意が必要です。
附子にはアコニチン類などの成分が入っていますが、このアコニチン類は猛毒です。そのため、医薬品として使われる附子はアコニチン類を加水分解して残存量も定量したものが出回っています。そのため、常用量であれば附子中毒の心配はほとんどありません。
しかし、附子を増量したり、小児など新陳代謝が亢進している場合などでは附子中毒の危険性が増す可能性があります。附子中毒の初期症状には以下のようなものがあります。
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大黄にはセンノサイドやアントラキノン類などの成分が入っていて、瀉下作用があります。大黄は胃腸が丈夫な実証に用いる生薬なので、虚証の人が使うと少量でも下痢や腹痛を起こす可能性があります。そのため虚証の人には少量から慎重に使う必要があります。

他にも大黄を長期間連用すると、大腸メラノーシスが起こることがあります。大腸メラノーシスは腸管壁にメラニン色素が沈着することで、腸管壁の神経叢が侵され、蠕動運動の低下が起こり便秘の悪化をもたらします。