気血水、六病位、五臓六腑

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気血水、六病位、五臓六腑

前回の八綱(陰陽、虚実、寒熱、表裏)では病態把握の指標を見てきました。今回は病態把握の手段について見ていきます。

 

 

病態把握の手段

今までの八綱は旅行に例えるならば、その街にどういうグルメがあったり、観光スポットがあるのかという特徴を知るためのものでしたが、今からお話しするのは、その街に車で行くのか、新幹線で行くのか、飛行機で行くかなど交通手段を表しています。病態把握の手段には以下のようなものがあります。

 

 

  • 気血水
  • 六病位
  • 五臓六腑

 

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気血水

気血水は生体を維持するものを表す仮想概念です。

 

 

気とは生体活動を営むエネルギーで形がなくて働きだけがあるものを言います。気に関わる病的な状態には以下のようなものがあります。

 

  • 気虚;気の絶対量が少ない。疲労倦怠、易疲労、無気力、食後眠気、消化吸収機能低下などの症状
  • 気うつ;気の流れが滞ったもの。抑うつ気分、不眠、不安感、息苦しい感じなどの症状
  • 気逆;気が頭の方に上がったもの。冷えのぼせ、発作性の動悸、顔面紅潮などの症状

 

漢方における血は、物質としての血液だけでなく、その機能や関連した感情を指し、食物や大気中にある精気を全身に巡らせる作用があると考えられています。血における病的な状態には以下のようなものがあります。

 

  • 血虚;血の量的な不足。皮膚乾燥、貧血、易疲労、倦怠感などの症状
  • ?血;血のうっ滞。月経痛、生理不順、下腹部の圧痛、皮膚粘膜のうっ血などの症状

 

水は体液のことを指し、水の病的な状態は以下のようなものがあります。

 

  • 水毒;体液の分布異常。浮腫、口渇、尿量や発汗量の異常、雨の日の前日に起こる頭痛やめまいなどの症状

 

六病位

六病位は急性熱性疾患におけるステージ分類で以下のようなものがあります。

 

  • 太陽病;邪気が表(皮膚、皮下組織、関節、頭、咽頭、鼻など)に存在。悪寒、筋肉痛、関節痛、頭痛、咽頭痛、くしゃみなどの症状
  • 小陽病;邪気が半表半裏に到達して、裏の症状が出始め、消化管症状が出てくる。具体的には、口が苦い、口が粘つく、食べ物の味がまずいなどの症状。
  • 陽明病;邪気が裏に存在して風邪がさらにこじれる。高熱や便秘、精神症状など。
  • 太陰病;高熱は出ないが、腹が痛くて下痢をする。下痢、腹痛、全身倦怠感、食欲不振などの症状
  • 少陰病;寒気が強く、体がだるい。全身倦怠感、気力低下、手足の冷え、不消化の下痢などの症状
  • 厥陰病(けっちんびょう);全身が衰弱して、意識朦朧とする。意識レベル低下、呼吸困難、持続性下痢、四肢の冷えなどの症状

 

 

上の3つは「陽」、下の3つは「陰」が入っていることからもわかるように風邪を陰陽で考えます。つまり、陽は悪寒があるが熱感もあったり、顔面が紅潮しているなどの症状があります。陰は悪寒ばかりで熱感に乏しく、顔面蒼白などの症状があります。さらに太陽病、小陽病、陽明病を表裏で見てみると、風邪の原因となる邪気がどこにいるかで分けることができます。

 

そしてこの六病位はそれぞれのステージにいつまでもとどまるわけではなく、時間の経過とともに別のステージに移る可能性もあります。

 

 

五臓六腑

五臓とは肝、心、脾、肺、腎を指し、六腑は胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦を指します。五臓の肝、心、脾、肺、腎はもともと黄帝内経に記載された東洋医学用語であり、解剖学的臓器とは本質的に別のものです。つまり東洋医学的には様々な機能や性質まで含めた複合体と解釈されます。例えば、五臓の異常と臨床症状は以下のようなものがあります。

 

  • 肝;怒りっぽい、筋肉のけいれん、目の異常、精神不安定
  • 心;不眠、舌先端が赤い、汗をよくかく、過剰な喜び
  • 脾;食欲異常、手足が黄色い、よだれをたらす、胃腸虚弱
  • 肺;呼吸器の症状、皮膚の異常、涙が出る、憂鬱や悲しみ
  • 腎;老化現象、夜間頻尿、集中力低下、驚きや恐れ

 

 

まとめ

  • 病態把握の手段には、気血水、六病位、五臓六腑などがある。

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