毒物及び劇物取締法、薬剤師は毒物劇物取扱責任者になれる

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毒物及び劇物取締法、薬剤師は毒物劇物取扱責任者になれる

前回の大麻取締法、あへん法、甲種研究栽培者と乙種研究栽培者の違いでは、大麻やあへんについてみました。今回は毒物や劇物についてみていきたいと思います。

 

 

毒薬や劇薬とは違うので注意してください。

 

毒物や劇物を取り扱うもの

毒物や劇物は毒物及び劇物取締法で規定されていて、毒物の中でも特に毒性が高いものを特定毒物と呼ばれています。

 

毒物や劇物を取り扱えるものには以下のようなものがあります。

 

  • 毒物劇物営業者(製造業者、輸入業者);製造所又は営業所ごとに厚生労働大臣の登録を受けたもの。毒物や劇物の製造や輸入などを行う。有効期限は5年間。
  • 毒物劇物営業者(販売業者);店舗ごとに都道府県知事の登録を受けたもの。毒物や劇物の販売を行う。ただし、製造業者が自社製品を販売するときは登録なしで販売可能。有効期限は6年間
  • 特定毒物研究者;毒物若しくは劇物の製造業者又は学術研究のため特定毒物を製造し、若しくは使用することができる者として都道府県知事の許可を受けたもの
  • 特定毒物使用者;特定毒物研究者又は特定毒物を使用することができる者として品目ごとに政令で指定する者
  • 業務上取扱者;業務上政令で定めるその他の毒物若しくは劇物を取り扱うもの。都道府県知事に届け出が必要

 

補足として、以下のものをみます。

 

  • 毒物劇物営業者(販売業者)の種類
  • 特定毒物使用者の使用品目の代表例
  • 業務上取扱者で届出が必要なものの代表例

 

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毒物劇物営業者(販売業者)の種類

毒物劇物営業者(販売業者)の種類には以下のようなものがあります。

 

  • 一般販売業;すべての毒物や劇物を販売可能
  • 農業用品目販売業;農業上必要な毒物又は劇物のみ販売可能
  • 特定品目販売業;厚生労働省令で定める毒物又は劇物(アンモニアなど)のみ販売可能

 

特定毒物使用者の使用品目の代表例

特定毒物は品目ごとに使用者と使用目的が限定されています。特定毒物の品目や使用目的の代表例には以下のようなものがあります。

 

  • 四アルキル鉛;石油精製業者がガソリンの不完全燃焼燃焼防止のために使います。
  • モノフルオール酢酸;駆除業者が野ネズミ駆除のために使います。

 

業務上取扱者で届出が必要なものの代表例

業務上取扱者で届出が必要なものの代表例には以下のようなものがあります。

 

  • 電気メッキを行う事業;無機シアン化合物など
  • シロアリ駆除;ヒ素化合物など

 

毒物劇物取扱責任者の設置

毒物劇物営業者や業務上取扱者は営業所又は店舗ごとに、専任の毒物劇物取扱責任者を置き、毒物又は劇物による保健衛生上の危害の防止に当たらせなければなりません。ただし2つ以上の事業所が隣接する場合はこれらの施設を通じて1人でよいとされています。

 

毒物劇物取扱責任者は以下のものがなることができます。

 

  • 薬剤師
  • 厚生労働省令で定める学校で、応用化学に関する学課を修了した者
  • 都道府県知事が行う毒物劇物取扱者試験に合格した者

 

薬剤師であれば毒物劇物取扱責任者になることができます。

 

毒物劇物取扱責任者を置いたときや変更したときは、三十日以内に、都道府県知事に届け出が必要です。

 

まとめ

  • 毒物劇物営業者や業務上取扱者は、専任の毒物劇物取扱責任者を置く必要があり、薬剤師はなることができる。

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