注射や輸液の基礎を学ぶ

注射や輸液の基本記事一覧

輸液が必要な患者とは

あなたは大学時代に輸液について勉強しましたか?こう聞かれると薬学部の人は自信を持って、Yesと答えられる人は少ないのではないでしょうか?私はNoです。私の大学だけなのかもしれませんが、私は授業自体もほとんどなく、せいぜいカロリー計算などの栄養の勉強しかしてこなかったと思います。注射や輸液の基本も習わ...

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輸液を投与する経路

輸液はほとんど、末梢静脈か、中心静脈から投与されます。まず末梢静脈からみていきます。末梢静脈末梢静脈とは、皮膚にある静脈を指します。よく使われる代表的な末梢静脈は、腕と足にあります。腕には肘橈側皮静脈、肘尺側皮静脈、肘正中皮静脈、前腕正中皮静脈、尺側皮静脈、橈側皮静脈、手背静脈網などがあります。足に...

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輸液で使われる器材を知る。

私が実習生の時は患者さんに、実際どのようにして輸液が投与されているのかイメージ出来ていませんでした。しかも患者さんによって使われている器材や輸液ラインが異なるので、病室を訪れたときに驚いたのを覚えています。薬剤師でもある程度のことは知っておくべきです。最低限の内容を知ることで、カルテを読んだり、看護...

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輸液は何の目的でするのか

前項、輸液が必要な患者とはで輸液はなんらかの原因により、患者が普段通り口から生命を維持するのに必要なものを摂取できないから輸液をするといいました。ですので、輸液の目的は@生命を維持するA不足しているものを補うの2つに分けられます。@生命を維持する人は尿や汗などで水分が減っていきます。通常では1日に必...

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ヒトの水分を学ぶ。脱水、溢水をメインに。

人の約60%は水分です。これは成人の割合で、小児では70%、高齢者だと50%くらいといわれています。赤ちゃんをイメージしてもらうと、プックリしていて水を蓄えていそうです。高齢者は逆をイメージしてもらえれば覚えやすいと思います。この60%の内訳をみていきます。20%は細胞外液、40%は細胞内液となりま...

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ナトリウムと水分の関係。

前項、輸液は何の目的でするのかで水分中に含まれる電解質で特にナトリウムとカリウムが輸液には重要になってくるとお話をしました。今回はナトリウムについてみていこうと思います。ナトリウムは細胞外液に多く存在し、さまざまな電解質を含む細胞外液のなかでも一番多く含まれている電解質になります。よってナトリウムは...

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カリウムは数値だけでなく、心電図も見よう。

ナトリウムの次はカリウムを見ていきます。ナトリウムは主に細胞の外にあったのに対して、カリウムは細胞の中に主に存在しています。神経や筋肉が働くのに必要な電解質になるので、症状としては神経や筋肉に関連したものが多いです。基準値は3.5〜5.0mEq/Lとなります。高カリウム血症症状カリウムは神経や筋肉が...

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輸液製剤は5つの分類わけから始めよう

病院実習、3つの特徴でお話ししたように、私は学校でも輸液製剤の勉強をほとんどせず、実習先でも教えられることもなく、独学するしかありませんでした。今回はいよいよ輸液製剤についてお話をします。輸液製剤にはさまざまな電解質が入っています。特にナトリウムやカリウムは電解質異常を考える上でベースとなることは、...

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輸液量は3つの要因で決まる。

患者さんによって、輸液が1本だけだったり、あるいは4本だったりというのを見たことがあると思います。輸液の投与量はどのようにして決められているのでしょうか?書籍によって少し異なりますが、輸液の投与量は以下の式で求められます。輸液量=@維持輸液量+A補充輸液量×B安全係数式を覚えるのではなく、式の意味を...

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病態別の経静脈栄養の考え方

栄養はあればあるぶんだけ、いいと思うかもしれませんが、患者の病態によっては栄養を減らさないと逆に害になってしまうケースもあります。今回は病態別経静脈栄養の基本を見ていきたいと思います。経静脈栄養の考え方の基本経静脈栄養の考え方は割とシンプルで以下の手順で考えるとわかりやすいです。患者が健康な場合を想...

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輸液の速度と滴数の計算

前回の、輸液量は3つの要因により決まる。では輸液量が決まりました。今回は決まった輸液量をどれくらいの速度で投与するかというお話です。主に看護師さんの領域になりますが、知っておいて損はないお話だと思います。私は実習生の時に、どれくらいの速度まで投与できるのだろうと疑問に感じて、実習先の薬剤師の先生に聞...

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手術における輸液、サードスペースとは?

手術ができることは、治療法として大きな選択肢の一つとなります。手術を行うときにも輸液は関わってきます。今回は手術における輸液をみていきましょう。術前手術を受ける前は、患者は飲食が禁止されるため、経口摂取するかわりに輸液により脱水を防ぎます。どれくらい投与するかは術式や手術時間などにより異なりますが、...

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配合変化、薬剤師と看護師で協力する

配合変化を起こすと、薬の効果が低下したり、結晶で血栓が作られてしまったりと様々な悪影響をもたらします。病棟の看護師さんから問い合わせがくることが多く、薬剤師が関われる内容の1つです。しかし、配合変化は薬ごとによって気をつける内容が膨大にありますので、実際に細かく覚えている人は少ないのではないでしょう...

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酸・塩基。アシドーシス、アルカローシス。

ヒトの血液のpHは7.35〜7.45の間に精密に保たれています。どのような生理機能によってこの範囲に保たれているのでしょうか?この調節を主に行っているのは、肺、腎臓です。全体の流れを把握する前に、まず1つの化学反応式を把握する必要があります。H2O+CO2⇔HCO3-+H+緩衝式とよばれるもので、高...

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アシドーシス、アルカローシスを読み取る

前回ページ、酸・塩基。アシドーシス、アルカローシス。では、アシドーシスとアルカローシスを知るうえで、呼吸性なのか代謝性なのかを考えることが重要とお話ししました。難しく思うかもしれませんが、順に考えていけば大丈夫です。流れとしては、アシデミアorアルカレミアを判別する。アシドーシスorアルカローシスを...

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アシドーシス、アルカローシスの原因、症状、治療

前項、アシドーシス、アルカローシスを読み取るでは、アシドーシスやアルカローシスの読み方を学びました。今回はそれらの原因、症状、治療などについて確認していきます。原因は代謝性であれば代謝に、呼吸性であれば呼吸に原因があります。治療は、原疾患の治療がベースとなります。代謝性アシドーシス原因ケトアシドーシ...

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アニオンギャップ(AG)と代謝性アシドーシス

前ページ、アシドーシス、アルカローシスの原因、症状、治療の一つの項目に代謝性アシドーシスがありました。代謝性アシドーシスの原因を鑑別する一つの方法として、アニオンギャップ(AG)があります。アニオンは陰イオンのことを指すので、陰イオンの差という意味になります。今回はアニオンギャップについてみてみます...

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静脈炎の原因と対策

高カロリー輸液などのお話の時に、浸透圧が高いため、末梢静脈から投与すると静脈炎を起こすというお話を何回かしました。今回は静脈炎について考えていきます。静脈炎の症状疼痛、圧痛、赤班、発赤、腫脹、浮腫、熱感、赤い索状、排膿などがあります。症状によって以下の4つのスケールがあります。1+;発赤あり(疼痛の...

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血管外漏出の原因と対策、抗がん剤とともに

血管外漏出とは、静脈注射した薬剤や輸液が血管の外に漏れることです。その結果、炎症や壊死などを起こす可能性があります。通常の点滴などで起こる可能性がありますし、特に血管外漏出で問題になるのが抗がん剤になります。抗がん剤は、レベルにより3つに分けられています。起壊死性抗がん剤炎症性抗がん剤起炎症性抗がん...

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緊急時の昇圧剤の違い、イノバン、ドブトレックス、ノルアドレナリン、アドレナリン

血圧の基本、高血圧と低血圧のページでお話ししたように、ショックなどで血圧が下がると緊急事態となります。血圧が下がると生命の危機になってきますので、よほどのことがない限りは昇圧剤の使用が開始されます。緊急時の昇圧剤には以下のような薬があります。イノバン(ドパミン)ドブトレックス(ドブタミン)ノルアドレ...

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緊急時の降圧薬の違い、ペルジピン、ミリスロール

血圧の基本、高血圧と低血圧のページでお話ししたように、血圧が高くなりすぎると緊急事態となります。今回は血圧を下げる注射薬を見ていきたいと思います。血圧を下げる注射薬には以下のようなものがあります。ペルジピン(ニカルジピン)ミリスロール(ニトログリセリン)院内採用によって名前が違ったりしますが、これら...

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徐脈に使われる注射薬、アトロピン

脈拍の基本、頻脈と徐脈のページにあるように、徐脈であると循環がうまく保てなくなります。徐脈における注射薬で有名なものとしては、アトロピンでしょう。アトロピン心臓にあるムスカリンM2受容体を遮断することによって、徐脈性不整脈に使われます。徐脈性不整脈の他にもよく使われるのは迷走神経反射の徐脈です。迷走...

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頻脈に使われる注射薬の違い、抗不整脈薬、アデホス-Lコーワ、ジゴシン

脈拍の基本、頻脈と徐脈のページにあるように、頻脈が起こると血圧が下がったり、循環をうまく保てなくなる可能性があります。今回は頻脈に使われる注射薬をみていきます。薬を見る前に、まずは心臓の刺激伝導を見てみます。刺激伝導系心臓には刺激伝導系という電気のようなものが走っていて、その電気がうまく伝わることで...

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アレルギーやアナフィラキシーで使われる注射薬、エピペン、サクシゾン、ポララミン、...

アレルギーとアナフィラキシー、原因と症状と対策のページにあるように、アナフィラキシーショックを起こすと生命の危機となりうるので、注射薬などで治療をしなければなりません。今回はそれらの薬を見ていきます。院内の採用により多少は異なるかと思いますが、アナフィラキシーショックに使われる薬として以下のような薬...

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抗がん剤調製の基本。安全な作業準備を行う。

抗がん剤の調製を実習先でやらせてもらえる施設もあるかと思います。OSCE(オスキー)で無菌調製の練習をしてきたかとは思いますが、実践となると緊張するかもしれません。抗がん剤は高額なものがあり、失敗すると経済的に損失を与えます。また毒性も強いので、間違えると自分も被ばくする可能性があります。今回は、抗...

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抗がん剤調製の基本。バイアル、輸液バックへの針刺し

前ページ、抗がん剤調製の基本。安全な作業準備を行う。では、調製までの準備を確認しました。今回は、バイアルや輸液バックへの針刺しや採取前までを見ていきます。全体の流れとして、以下のようになります。バイアル、輸液バックなどの消毒バイアル、輸液バックへの針刺しバイアル、輸液バックなどの消毒安全キャビネット...

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抗がん剤調製の基本。バイアルに、針を刺したら、押すな引け。

前ページ、抗がん剤調製の基本。バイアル、輸液バックへの針刺しでは、針を刺すところまでを述べました。今回は針を刺してから、抜き取りまでのお話です。全体の流れとしては、以下のようになります。溶解液を入れる。溶解液でしっかり溶かす。溶解した液から必要量採取する。バイアル製剤が、粉であれば、溶解液で溶かす必...

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抗がん剤調製の基本。薬液量の確認と希釈

前ページ、抗がん剤調製の基本。バイアルに、針を刺したら、押すな引け。では抗がん剤を必要量取るところまで確認しました。今回は、採取後の確認と、希釈をみていきます。薬液量の確認バイアルから必要量を正しく取れているかの確認をします。手技が慣れないうちは、バイアルから針を抜き取るときに、思いのほか余分に抜き...

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抗がん剤調製の基本。払い出しと後片付け

前ページ、抗がん剤調製の基本。薬液量の確認と希釈では、希釈するところまでを確認しました。今回は、最後の払い出しと安全キャビネットの後片付けです。最終確認、払い出し抗がん剤の調整が終わり、安全キャビネットから取り出したら、最後に処方内容の確認をします。ラベルや処方箋を見比べ、記憶の限り採取量が間違って...

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経腸栄養と経静脈栄養の違い

高齢者が入院中であれば看護師さんが身近な医療従事者かと思います。しかし、退院してから外来の状態になると、高齢者にとって身近な医療従事者は薬剤師になります。高齢者が再入院しないようにするには、薬だけでなく栄養管理がとても重要となってきます。そのため、薬局薬剤師も栄養管理について知っておくべきです。今回...

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