薬機法、一般用医薬品の違い

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薬機法、一般用医薬品の違い

前回の薬機法、薬局の開設者と管理者では、開設者の義務などについてみました。今回は薬機法における医薬品の販売業の違いについてみていきたいと思います。

 

 

登録販売者

登録販売者は一般用医薬品の販売などに必要な資格で、厚生労働省令で定める試験を受けて合格したものがなることができます。試験に合格したうえで、都道府県知事の登録を受けて登録販売者となります。

 

では、薬剤師と登録販売者は扱える一般用医薬品はどのように違うのでしょうか?

 

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一般用医薬品

薬局医薬品以外の医薬品を一般用医薬品と呼びます。たまにCMとかで宣伝しているOTCなどがそれにあたります。一般用医薬品は副作用のリスクから3つに分けられています。

 

  • 第一類医薬品
  • 第二類医薬品
  • 第三類医薬品

 

第一類医薬品

その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品のうちその使用に関し特に注意が必要なものとして厚生労働大臣が指定するものが第一類医薬品です。第一類医薬品の例には、ガスターなどがあります。

 

第一類医薬品は薬剤師のみ販売でき書面などで情報提供が必要とされています。

 

第二類医薬品

第一類医薬品以外の、その副作用等により日常生活に支障を来す程度の健康被害が生ずるおそれがある医薬品であって厚生労働大臣が指定するものが第二類医薬品です。第二類医薬品の例には、タイレノールなどがあります。

 

第二類医薬品は薬剤師でも登録販売者でも販売でき、情報提供が必要です。

 

第三類医薬品

第一類医薬品及び第二類医薬品以外の一般用医薬品が第三類医薬品です。第三類医薬品の例には、ハイチオールCなどがあります。

 

第三類医薬品は情報提供に関する規定がなく、薬剤師でも登録販売者でも販売できます。また第三類医薬品のみネット販売などで郵送ができますが、都道府県知事に届け出が必要です。

 

医薬品販売業の種類

薬を取り扱っているのは薬局だけではありません。薬局以外で薬を取り扱っている代表例には以下のようなものがあります。

 

  • 店舗販売業
  • 卸売販売業
  • 配置販売業

 

これらを管理者や販売品目の観点から違いを見てみます。

 

店舗販売業

店舗販売業はいわゆるドラッグストアです。薬局併設型も多いですが、薬局併設でないものの場合

 

  • 管理者;薬剤師or登録販売者
  • 販売品目;薬剤師が管理者ならすべての一般用医薬品、登録販売者が管理者なら第二類医薬品と第三類医薬品

 

卸売販売業

卸売販売業は、薬局開設者、医療機関の開設者、販売業者などに薬を卸す会社のことです。

 

  • 管理者;薬剤師or薬剤師以外
  • 販売品目;薬剤師が管理者ならすべての一般用医薬品、薬剤師以外が管理者なら薬剤師による管理を必要としない医薬品として厚生労働省で定めるもの

 

薬剤師以外でも管理者になれますが、扱える品目が限られるので実質薬剤師が管理者でないと意味がないといえるでしょう。

 

配置販売業

配置販売業はいわゆる置き薬で配置のみ販売方法が認められている業者です。

 

  • 管理者;薬剤師or登録販売者
  • 販売品目;一般用医薬品のうち経年変化が起こりにくいことその他の厚生労働大臣の定める基準に適合するもの以外の医薬品。

 

販売品目の表現が独特ですが、先ほどの第一類医薬品のみ薬剤師というのは変わらずです。

 

まとめ

  • 第一類医薬品は薬剤師のみ販売でき、文書などでの情報提供が必要
  • 第二類医薬品は情報提供が必要
  • 第三類医薬品は情報提供に関する規定はない。第三類医薬品はネット販売もできるが都道府県知事の許可が必要

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