Sponsored Link
セルフメディケーションの対象となる水虫(白癬)とOTC
水虫=オヤジのようなイメージを持ちがちですが、意外と性別関係なく幅広い年齢層の人がかかっています。何を隠そう、私も過去2回水虫になったことがあります(笑)今回は水虫について見ていきます。
水虫は正式に白癬と呼ばれ、白癬菌などの真菌が原因で起こります。
症状はかゆみのイメージが強いですが、他にも皮膚が厚くなる、ひび割れ、水疱、皮膚がむけるなどの症状を訴える場合もあります。
白癬菌
原因となる白癬菌はケラチンと呼ばれる物質を好み、角質層にケラチンが多いため皮膚の角質層に感染しやすいです。
ケラチンを多く含む角質層は、足の裏、手のひら、爪、毛に多くあるため、これらの部位は白癬の好発部位と言えます。
皮膚は生まれ変わっていて、古い皮膚はアカとして落ちたりしてきます。剥がれ落ちた角質層には白癬菌が生きたまま残っていて、それが他の人に付着します。
通常、皮膚を清潔にしていれば、皮膚から白癬菌が落ちて感染は成立しません。しかし、菌がついた状態を1〜2日くらい放置してしまうと、皮膚内に白癬菌が入り込み感染が成立してしまいます。
白癬の種類
白癬は感染部位により以下のようにわけられます。
- 足白癬(みずむし)
- 手白癬
- 体部白癬(たむし、ぜにたむし)
- 股部白癬(いんきんたむし)
- 爪白癬
- 頭部白癬(しらくも)
足白癬(みずむし)
足白癬(みずむし)はさらに以下のようにわけられます。
- 趾間型;足の指の間にできやすく、ジュクジュクしている湿潤型や、乾いた鱗屑が見られる乾燥型がある。
- 角質増殖型;かかとを中心に足の裏全体にできやすく、足の裏の皮膚が硬く厚くなり、ガサガサになる。
- 小水疱型;土踏まず、足の両側面、かかとにできやすく、発赤を伴う小さな水疱があり、かゆみを伴う。
手白癬
手白癬も足白癬と同じように、趾間型、角質増殖型、小水疱型があります。
体部白癬(たむし、ぜにたむし)
体部白癬(たむし、ぜにたむし)は紅斑が環状に広がり、辺縁は皮膚が少し盛り上がることが多いです。またかゆみが出ることもあります。
股部白癬(いんきんたむし)
股部白癬(いんきんたむし)は太ももの付け根などにできやすく、体部白癬(たむし、ぜにたむし)と同じように環状の紅斑を示し、かゆみも出ます。
爪白癬
爪白癬は、爪の先端などが混濁し、黄色や白色になり透明感がなくなります。表面がザラザラしたり、熱くなることもあります。
受診勧奨が必要です。
頭部白癬(しらくも)
頭部白癬(しらくも)は円形状の脱毛巣ができ、痛みなどなく簡単に髪の毛が抜けます。
受診勧奨が必要です。
受診勧奨すべき白癬
爪白癬、頭部白癬(しらくも)はOTCの対象外である点に注意が必要です。
- 病変が広範囲
- ジュクジュクや亀裂の程度が重い
- ただれや化膿が認められる
- 爪白癬、頭部白癬(しらくも)が疑われる
Sponsored Link
Sponsored Link
白癬に使われるOTCの成分
白癬に使われるOTCの成分には以下のようなものがあります。
抗真菌成分
ミコナゾール、エコナゾール、クロトリマゾール、ビホナゾール、ラノコナゾール、オキシコナゾール、ブテナフィン、テルビナフィン
- 白癬菌の増殖を抑える
- 色々な白癬のタイプに適応可能
角質溶解成分
サリチル酸、尿素
- 角質を軟化させて、薬剤の浸透性を高める
- 角質増殖型の時に推奨される
鎮痒成分
ジフェンヒドラミン、クロタミトン
- かゆみを抑える。
- 趾間型や小水疱型でかゆみがあるときに推奨される
局所麻酔成分
ジブカイン、リドカイン
- 神経を麻痺させ、かゆみを抑える
- 趾間型や小水疱型でかゆみがあるときに推奨される
消炎・保護成分
グリチルレチン酸、サリチル酸メチル
- 炎症を抑える
剤形による使い分け
白癬菌は症状が出ている部位だけでなく、その周囲にも存在する可能性があります。そのため基本的には薬を広範囲に塗っていきます。例えば、足の趾間型などであれば、足の甲と裏の1/2くらい塗ると良いでしょう。
また部位や患部の状態によって剤形を使い分けることも大事です。
軟膏
使用部位
- 病態に関わらず使用できる
特徴
- 皮膚への浸透性が高く、刺激性は低く、使用感の悪いものがある
クリーム
使用部位
- 中等度乾燥〜軽度湿潤に適している
特徴
- 皮膚への浸透性高く、ジュクジュクした患部には刺激を与えることがある
液剤
使用部位
- 乾燥している部位、皮膚が厚く角質化している部分に適している
特徴
- 皮膚への浸透性が高く、アルコール含有のため刺激感がある
パウダー
使用部位
- ジュクジュクしている部位に適している
特徴
- 患部への付着性が良く、患部を乾燥させる
ゲル
使用部位
- ジュクジュクしている部位に適している
特徴
- 清涼感があり、べたつかず、乾きが速い。
まとめ
- 水虫(白癬)は白癬菌が原因で、ケラチンを好むため足の裏、手のひら、爪、毛に集まりやすい。
- 爪白癬、頭部白癬(しらくも)は受診勧奨
- OTCを選ぶときは、成分だけでなく、剤形も適切なものを選ぶ
セルフメディケーションの対象となる水虫(白癬)とOTC 関連ページ
- セルフメディケーションの対象となる頭痛とOTC
- セルフメディケーションの対象となる頭痛は、片頭痛と緊張型頭痛です。これらのセルフメディケーションに使われるOTCは、ピリン系と非ピリン系に大きく分けられます。
- セルフメディケーションの対象となる筋肉痛や関節痛とOTC
- セルフメディケーションの対象となる筋肉痛や関節痛の症状としては肩こり、筋肉疲労、捻挫などがあります。筋肉痛や関節痛に使われるOTCは軽度うあNSAIDs禁忌の場合はサリチル酸系を使います。
- セルフメディケーションの対象となる風邪とOTC
- セルフメディケーションの対象となる風邪は初期のものや症状が軽いものであり、それ以外は受診勧奨します。患者の話を聞いて、症状にあった成分を含んでいるOTCを選ぶことが重要です。
- セルフメディケーションの対象となる胃もたれや胸やけとOTC
- 胸やは胃酸などが食道内に逆流して起こります。胃もたれは消化器の運動機能が落ちて起こります。胸やけにはH2ブロッカー、制酸成分、粘膜保護成分、胃もたれには胃腸機能調整成分が入っているがOTCの薬を、選びましょう。
- セルフメディケーションの対象となる便秘とOTC
- 基礎疾患があり、腸の形態に問題ある便秘のときは受診勧奨しましょう。便秘のセルフメディケーションで使われるOTCのうち、酸化マグネシウムやピコスルファートナトリウムは妊婦に使いやすい薬です。
- セルフメディケーションの対象となる下痢とOTC
- 血便、黒色便、発熱や吐き気のある下痢の場合はセルフメディケーションせず受診勧奨しましょう。セルフメディケーションする時に、妊婦や小児には整腸剤が使いやすいです。
- セルフメディケーションの対象となるニキビとOTC
- ニキビは皮脂などで毛包が詰まってしまった状態です。セルフメディケーションのOTCは、白ニキビや黒ニキビには角質軟化成分や殺菌成分を、赤ニキビや黄ニキビには殺菌成分や炎症成分を用います。
- セルフメディケーションの対象となる花粉症とOTC
- 医療費の観点から、これから花粉症もOTCを使ってセルフメディケーションしなければならなくなると思います。セルフメディケーションの対象となる花粉症とOTCについてまとめました。
- セルフメディケーションの対象となる眼の疾患とOTC
- 眼瞼炎、雪目、眼の乾き、結膜炎、眼精疲労などがOTCでセルフメディケーション対応が可能です。コンタクトレンズの場合は、いったん外して点眼し、5分後につけ直します。
- セルフメディケーションの対象となる乾燥肌とOTC
- 基礎疾患にアトピーがある乾燥肌の場合は、セルフメディケーションの対象とならないので受診勧奨しましょう。乾燥肌に使うOTCのうち、保湿剤は正しい量を使いましょう。
- セルフメディケーションの対象となる日焼けとOTC
- 日焼けの原因となるのは紫外線です。紫外線の中でも皮膚に影響を与えるのはUVAやUVBです。水ぶくれを伴う日焼けは、OTCを使いセルフメディケーションできないので、受診勧奨しましょう。
- セルフメディケーションの対象となるしみとOTC
- しみの原因となる紫外線は、主にUVAやUVBなどがあります。しみはセルフメディケーションの対象となるOTCがありますが、しわはセルフメディケーションできないので受診勧奨しましょう。
- セルフメディケーションの対象となる湿疹やかゆみとOTC
- セルフメディケーションの対象となる湿疹やかゆみに使われるOTCは、症状がかゆみのみで炎症がなければ抗ヒスタミンの外用薬、かゆみ以外にも赤身や腫れがあり炎症が軽めならNSAIDsの外用薬、炎症が強ければステロイド外用薬を使います。
- セルフメディケーションの対象となる痔とOTC
- 痔ろう又は、痔核(いぼ痔)裂肛(切れ痔)のひどいものは受診勧奨します。痔のセルフメディケーションで使われるOTCは、坐薬、注入軟膏、内服薬などの種類があります。
- セルフメディケーションの対象となる乗り物酔いとOTC
- 乗り物酔いのうち、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、自律神経失調症などの基礎疾患を持つ乗り物酔いの場合は受診勧奨が必要です。セルフメディケーションの対象となる乗り物酔いとOTCの成分をまとめています
- セルフメディケーションの対象となる不眠とOTC
- 不眠でセルフメディケーション可能なのは、一過性不眠で、時差ボケで昼夜が逆転してしまった、寝つきが悪い、眠りが浅い場合だけで、他は受診勧奨しましょう。セルフメディケーションの対象となるOTCの成分のまとめです。
- セルフメディケーションの対象となる口腔周辺トラブルとOTC
- 口腔周辺トラブルでOTCでセルフメディケーションの対象となるものには、口内炎、口唇ヘルペス、歯周病、口臭、ドライマウスなどがあります。