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セルフメディケーションの対象となる頭痛とOTC
医療費削減や医療現場負担の軽減などの観点から、軽微な疾患は自分自身で治すセルフメディケーションの流れが出てきています。
セルフメディケーションは医師による診察がない分、薬剤師が的確に判断を求められることがあります。このカテゴリーではOTCやセルフメディケーションについてまとめていきます。
今回は頭痛についてまとめていきます。
頭痛のタイプ
頭痛のタイプは基礎疾患があるものとないものにわけられます。
- 基礎疾患がない頭痛;緊張型頭痛、片頭痛、群発頭痛など
- 基礎疾患がある頭痛;受診を勧めた方がよい頭痛
これらのうち緊張型頭痛や片頭痛がセルフメディケーションの対象となりえます。
基礎疾患がない頭痛
これだけがすべてではありませんが、緊張型頭痛や片頭痛の特徴を確認します。
緊張型頭痛
- 痛み方;頭全体がしめつけられる。痛みは比較的軽度
- 伴う症状;首や肩のこり
- 予兆;なし
片頭痛
- 痛み方;脈に合わせてズキンズキン。痛みは強め
- 伴う症状;吐き気、光や音に過敏
- 予兆;閃輝暗点(視界にチカチカした光や、中心部から見えにくくなる症状など)
片頭痛に関しては、別ページ片頭痛治療薬、トリプタン系とセロトニンでもまとめています。
セルフメディケーションの対象となり得そうな患者の状態として、
- 多少我慢でき、仕事や家事などがなんとかできる。
- 頭痛の持続が10日未満
- 鎮痛薬の使用が毎週2日以内
などが目安となってきます。
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基礎疾患がある頭痛
受診を勧めた方がよい頭痛の例としては
- 今までに経験したことのない頭痛(くも膜下出血)
- 麻痺やしびれ、ろれつが回らない、物が二重に見える(脳内出血)
- 頭部外傷(脳内出血)
- 高熱を伴う頭痛
- 5歳未満の小児(髄膜炎)
などがあります。その他にも鎮痛薬を定期的に1か月間に10日以上使っている場合は、薬物乱用による頭痛の可能性があるため受診勧奨をした方が良いです。
OTCの頭痛薬
OTCの頭痛薬は、ピリン系と非ピリン系に大きくわけられます。
非ピリン系
アスピリン;バファリンAなど
- 解熱鎮痛作用が比較的強い
- 胃腸障害や血液が固まりにくくなることがある(手術や抜歯の場合、1週間休薬の可能性)
- 出産予定日12週以内の妊婦、15歳未満、アスピリン喘息などは禁忌
エテンザミド;セデスVなど
- 解熱鎮痛作用は比較的弱い
- 胃腸障害はアスピリンより少ない
- 15歳未満、アスピリン喘息などは禁忌
アセトアミノフェン;タイレノールAなど
- 消炎には効果がない
- 比較的安全性が高く、小児、高齢者、妊婦に使いやすい
- 胃腸障害が少ない
- 長期投与で肝障害を起こすことがある
イブプロフェン;イブなど
- 消炎作用に優れている
- 子宮への移行性が良い(生理痛に使われることも)
- 出産予定日の12週以内の妊婦、15歳未満、アスピリン喘息などは禁忌
ロキソプロフェン;ロキソニンSなど
- 鎮痛効果が速い
- 比較的胃腸障害は少ない
- 出産予定日の12週以内の妊婦、15歳未満、アスピリン喘息、紫斑ができやすい人などは禁忌
ピリン系
イソプロピルアンチピリン;セデスハイなど
- 強い痛みに効果
- ピリン系アレルギーの人には注意が必要
- 妊婦などは禁忌
まとめ
- セルフメディケーションをするにあたって、薬剤師がOTCか受診勧奨か適切に判断しなければならない。
- 頭痛でセルフメディケーションの対象となるのは、片頭痛と緊張型頭痛。
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