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P1.ベータ遮断薬、特定競技における禁止物質
前回のS9.糖質コルチコイド、投与経路のうち経口、経直腸、静脈注射、筋肉注射が禁止では、S9について見てきました。今回はP1.ベータ遮断薬について見ていきたいと思います。
今まではS〇ということでSでSはsubstance(物質)でした。今回のはPです。PはParticular(特定競技)のPでしたね。そのため特定競技においての禁止物質となります。
β遮断薬
β遮断薬は、β受容体を遮断することで作用します。β受容体のうち、β1受容体が遮断されると、主に心拍数、心拍出量低下、房室伝導抑制などの作用が現れます。
その他にも振戦を抑えることができたりするので、主に手ブレに関わったり、一点集中が必要な特定の競技において禁止されています。特定競技の代表例には以下のようなものがあります。
- アーチェリー(世界アーチェリー連盟;WA)
- 自動車(国際自動車連盟;FIA)
- ビリヤード(すべての種目)(世界ビリヤード・スポーツ連合;WCBS)
- ダーツ(世界ダーツ連盟;WDF)
- ゴルフ(国際ゴルフ連盟;IGF)
- ミニゴルフ(世界ミニゴルフ連盟;WMF)
- 射撃(国際射撃連盟;ISSF、国際パラリンピック委員会;IPC)
- スキー/スノーボード(国際スキー連盟;FIS)ージャンプ、フリースタイル(エアリアル/ハーフパイプ)、スノーボード(ハーフパイプ/ビッグエアー)
- 水中スポーツ(世界水中連盟;CMAS)コンスタント-ウェイトアプネア(フィンありフィンなし)、ダイナミックアプネア(フィンありフィンなし)、フリーイマージョンアプネア、ジャンプブルーアプネア、スピアフィッシング、スタティックアプネア、ターゲットシューティングよびバリアブルウェイトアプネア
代表例だけでも色々な競技があります。最後の方に出てきたアプネアが聞いたことなかったので、調べてみると潜水を意味するイタリア語のようです。おそらくダイビング系のスポーツということですね。ダイビングしたことないので、憧れがあります(笑)
注意事項
β遮断薬と聞くと循環器系のイメージが強いですが、緑内障治療薬にもβ遮断薬があります。代表例はチモプトール(チモロール)、ミケラン(カルテオロール)などです。緑内障治療薬の点眼薬も、このカテゴリーでは禁止物質となるため注意が必要です。
まとめ
- β遮断薬は一点集中するような競技で禁止物質となりうる。
- β遮断薬は循環器系以外にも、緑内障治療薬で使われるチモプトール(チモロール)、ミケラン(カルテオロール)などがあるため注意。
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