Sponsored Link
血圧が高めの方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品
前回のマグネシウムの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめまででは、ビタミンやミネラルについて見てきました。今回からは症状に適したものを見ていきます。今回は血圧が高めの方に適した特定保健用食品(トクホ)や機能性表示食品について見ていきます。
血圧が高めの方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品の成分には以下のようなものがあります。
- ペプチド類
- γ-グルタミル-S-アリルシステイン
- GABA
- 杜仲葉配糖体
- α-リノレン酸
Sponsored Link
Sponsored Link
ペプチド類
ペプチドはアミノ酸が2個以上結合したもので、以下のような一部のものは正常よりも血圧が高めの方に適します。
- サーデンペプチド
- 海苔オリゴペプチド
- ゴマペプチド
- 大豆ペプチド
- ラクトトリペプチド
これらのペプチド類は高血圧治療薬のACE阻害薬と同じように、レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系の、アンジオテンシンTからUへの変換を阻害すると考えられています。
薬との相互作用としては、ACE阻害薬などの降圧薬と併用すると降圧作用が強くなることが考えられます。その他にも、カリウム保持性利尿薬やカリウム製剤と併用すると高カリウム血症を起こしやすいことも考えられます。
γ-グルタミル-S-アリルシステイン
γ-グルタミル-S-アリルシステインもアンジオテンシン変換酵素阻害作用によるものと考えられています。
GABA
GABAの正式名はγ-アミノ酪酸で、その名の通りアミノ酸の一種です。
交感神経からノルアドレナリンが分泌されると、血管が収縮し血圧が上昇します。GABAはノルアドレナリンの分泌を抑えることで血圧を下げると考えられています。
杜仲葉配糖体
杜仲葉配糖体は、杜仲の主成分で、構成成分はゲニポシド酸です。
杜仲葉配糖体は副交感神経に作用して、末梢動脈の筋肉を弛緩させます。その結果、血流の抵抗が減り血圧が下がると考えられています。
薬との相互作用としては、杜仲はカリウムを含むため、カリウム保持性利尿薬やカリウム製剤で高カリウム血症を起こす可能性があることが考えられます。
α-リノレン酸
α-リノレン酸は血清脂質低下作用、抗血小板作用、動脈の伸展性保持作用により、血圧を低下させると考えられています。
薬との相互作用として、抗凝固薬や抗血小板薬と併用すると出血を助長する可能性があることが考えられます。
まとめ
- 血圧が高めの方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品の成分には、ペプチド類、GABA、杜仲葉配糖体、γ-グルタミル-S-アリルシステイン、α-リノレン酸などがある。
血圧が高めの方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品 関連ページ
- ビタミンAの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンAは視覚機能や細胞増殖に関わる働きを持ちます。β-カロテンは油と一緒に調理をすると効率よく吸収できます。ビタミンAと併用禁忌の薬には、チガソン(エトレチナート)、ベサノイド(トレチノイン)、アムノレイク(タミバロテン)、タルグレチン(ベキサロテン)などがあります。
- ビタミンDの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンDは、骨に対する作用や細胞増殖に関わります。ビタミンDは油と一緒に摂取すると吸収が高まります。ビタミンDはジゴシン(ジゴキシン)と併用すると、血中濃度が高まるおそれがあります。
- ビタミンEの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンEの働きには、生体膜の安定化、活性酸素の消去などがあります。ビタミンEは過剰症も欠乏症も比較的起こりにくく、薬の相互作用には、コレバイン(コレスチミド)、クエストラン(コレスチラミン)、フォスブロック、レナジェル(セベラマー)があります。
- ビタミンKの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンKの働きには血液凝固作用、骨形成促進作用があります。ビタミンKと薬の相互作用には、ワーファリン(ワルファリンカリウム)、コレバイン(コレスチラミン)、フォスブロック、レナジェル(セベラマー)、ジャクスタピッド(ロミタピド)などがあります。
- ビタミンB1の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンB1の働きには、糖代謝の促進、神経機能の正常化があります。ビタミンB1は熱に弱く、水に溶けやすいため、アリシンを含む食品と摂取することでアリチアミンとなり吸収を高められます。
- ビタミンB2の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンB2の働きは代謝促進、発育促進がある。そのため欠乏すると口唇炎などの症状が出ることがあります。ビタミンB2は熱や酸には強いですが、アルカリや光に不安定なので、冷暗所に食品を保存するとよいです。
- ビタミンB6の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンB6の働きは神経伝達物質の合成、ヘモグロビンの合成、コレステロールの代謝、アミノ酸の代謝などに関わります。ビタミンB6はレボドパの脱炭酸化を促進して、レボドパの作用を減弱させるため薬の相互作用に注意が必要です。
- ビタミンB12の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンB12の代表例であるメチルコバラミンは葉酸と共にDNAの構成成分の1つであるチミンの合成に関わり、赤血球や神経機能の維持に関わる。ビタミンB12は動物性食品に多く含まれる
- ビタミンCの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ビタミンCはコラーゲンの生成、メラニンの生成抑制、抗酸化作用などの作用があり、壊血病が起こることがあります。ビタミンCと相互作用を起こす可能性のある薬にはダイアモックス(アセタゾラミド)があります。
- ナイアシンの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- ナイアシンとはニコチン酸とニコチンアミドの総称で体内ではNADやNADPとして存在し、酸化還元反応の補酵素として働きます。アマリール(グリメピリド)、メトグルコ(メトホルミン)などの血糖降下薬と相互作用を起こすことがあります。
- パントテン酸の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- パントテン酸の働きはコエンザイムAの構成成分として関わり、糖質、脂質、タンパク質の代謝調節を助けます。パントテン酸とベネシッド(プロベネシド)は相互作用を起こすことがあるため注意が必要
- 葉酸の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- 葉酸はDNAの合成、アミノ酸代謝、造血作用などの働きがあり、胎児の正常な発育や巨赤芽球性貧血(悪性貧血)などに関わります。葉酸と薬の相互作用などもまとめています。
- 亜鉛の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- 亜鉛が欠乏すると、生体に必要なものが作られなくなったり、味覚障害等が起こる可能性があります。亜鉛と薬でキレートを作るものがあるため、テトラサイクリン系、キノロン系、ビスホスホネート製剤などは併用には注意が必要です。
- カルシウムの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- カルシウムは体の構造だけでなく、神経興奮、神経伝達物質の遊離、筋収縮、血液凝固などの働きに関わります。カルシウムと薬の相互作用には効果減弱など様々なものがあります。
- 鉄の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- 鉄は酸素の運搬などの働きに関わり、欠乏すると貧血などの症状が起こります。鉄と相互作用を起こす代表的な薬の1つにタンニン酸アルブミンがあります。
- 銅の働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- 銅は造血作用などに関わり、欠乏すると鉄投与に反応しない貧血などが起こることがあります。メタルカプターゼ(ペニシラミン)、メタライト(トリエンチン)、ノベルジン(酢酸亜鉛)など銅過剰症治療薬を飲んでいる患者は食事やサプリメントからの銅摂取は控えた方が良いと考えられます。
- マグネシウムの働き、多く含む食品、薬との併用のまとめ
- マグネシウムを含む食品は、煮汁まで食べられる料理にすることで効率よく摂取できます。マグネシウムと相互作用を起こす薬はセフゾン(セフジニル)など意外とあるので注意が必要です。
- 血糖が高めの方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品
- 血糖が高めの方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品の成分には難消化性デキストリン、グァバ葉ポリフェノール、小麦アルブミン、ネオコタラノールなどがあります。
- 脂質やコレステロールが高めの方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品
- 脂質やコレステロールが高めの方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品の成分には、難消化性デキストリン、ウーロン茶重合ポリフェノール、EPA・DHA、茶カテキン、大豆たんぱく質、植物ステロールなどがあります。
- 骨粗鬆症になるリスクを低減する特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品
- 骨粗鬆症になるリスクを低減する特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品の成分には、カルシウム、ポリグルタミン酸、乳塩基性タンパク質、大豆イソフラボンなどがあります。
- おなかの調子(下痢や便秘))が気になる方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品
- おなかの調子(下痢や便秘)が気になる方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品に関わる成分には、乳酸菌、ビフィズス菌、オリゴ糖、食物繊維などがあります。
- 肥満気味の方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品
- 肥満気味の方に適した特定保健食品(トクホ)や機能性表示食品に関わる成分には、中鎖脂肪酸、マンノオリゴ糖、クロロゲン酸類、茶カテキン、ケルセチン配糖体などがあります。