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前回の異物に対する生体バリアーの最後の方で、次回は補体について見るというお話をしました。というわけで、今回は補体について見ていきたいと思います。
補体とはヒトの血液中に存在するタンパク質群であり、反応を開始するトリガーを起点に連鎖的に活性化されて、最終的に様々な生物活性をもたらします。補体はタンパク質であるため、加熱処理すると失活する性質もあります。
補体を活性化する経路には大きく3つあります。
補体成分は、補体第1成分をC1、補体第2成分をC2、というように番号がつけられています。しかし、後から発見された第2経路に関わるものはB因子、D因子とつけられたり、C3が分解されて生じる断片などにはC3a、C3bなどとつけられたりもします。
古典経路は抗原と結合した抗体に第1成分(C1)が結合することで活性化が始まる経路です。C1を起点に、C1→C4→C2→C3→C5→C6→C7→C8→C9というように連鎖的に活性化されます。
第2経路は細菌や真菌の細胞壁成分により活性化が始まる経路です。先ほどもお話ししたように第2経路ではB因子やD因子が関わり、C3が分解されてC3a、C3bが生じます。
レクチンとは糖鎖に結合するタンパク質の総称であり、レクチン経路は微生物表面のマンノースを含む糖鎖にレクチンの一種が結合することで活性化が始まる経路です。レクチン経路は古典経路に似ていますが、C1の代わりにMASP(MBL-associated serine protease)が関与します。
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これらの経路により補体が活性化されることで、以下の反応が起こります。